快晴の秋空の下、行われた全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦。決勝でホールショットを獲ったのは、ポールポジションからスタートの梁明(スズキ)。しかし、井筒仁康(カワサキ)が、加賀山就臣(スズキ)と梁をかわしトップに立つ。オープニングラップを終えた時点では、井筒、加賀山、梁、吉川和多留(ヤマハ)、岡田忠之(ホンダ)、玉田誠(ホンダ)、柳川明(カワサキ)、宇川徹(ホンダ)の順でコントロールラインを通過。2周目には加賀山がトップに立ち、序盤から激しい攻めを見せる。4周目、ファーステストラップをマークし、ポジションを上げてきた玉田が前の2台を一気にパスし、さらにもう1台抜き2位まで上がる。玉田は、翌5周目に加賀山を抜いてトップに浮上。しかし、加賀山が抜き返し再びトップを奪い返す。
序盤から、加賀山と玉田の2台は激しいバトルを見せ、ポジションを入れ替えながらトップ争いを繰り広げる。9周目のシケインでバックマーカーが入り、玉田が初めてトップでコントロールラインを通過。そのまま、玉田は1コーナーへトップで進入し、加賀山、梁が続く。そして、その後のダンロップコーナーで、加賀山がハイサイド。転倒は免れたが、その影響で梁は6位へ順位を落とす。翌11周目、わずかに差を広げたトップ走行中の玉田がダンロップで転倒。リタイアとなり、この時点で梁のシリーズチャンピオンが確定した。これにより、トップは井筒となるが、すかさず加賀山が井筒をかわしトップとなる。12周目には、再び梁が2番手まで順位を戻し、加賀山をパスしトップに浮上。しかし、加賀山も梁を抜き返し、加賀山と梁はトップのポジションを入れ替えながら走行する。
12周を終えた時点での順位は、梁、加賀山、井筒、宇川、吉川、岡田、山口となり、ここまでの7台がトップグループを形成。追い上げてきた宇川は、13周目に井筒をパスし3位に順位を上げる。翌周、宇川はデグナーで梁をパスし2位になり、バックストレートで加賀山を抜きトップに浮上。しかし、シケインで加賀山がトップを奪い返す。終盤、バックストレートで宇川がトップに立ち、加賀山がシケインで前に出てコントロールラインをトップで通過というトップ争いが繰り返される。その後方では、ポジションを上げてきた岡田が19周目に梁を抜き3位に浮上。最終ラップ、宇川はダンロップで加賀山の前に出てトップに立ち、岡田が加賀山をパスし2位に浮上。トップでチェッカーを受けたのは、グランプリライダーの貫禄を見せた宇川。2位の岡田は、現役ライダー最後のレースを表彰台で締めくくった。3位には全日本勢トップで梁が入り、自身初、そしてスズキファクトリーにとっても初めての全日本スーパーバイクシリーズチャンピオンのタイトルを獲得した。
レース序盤から最終ラップまでトップ争いを繰り広げた加賀山は、最後のシケインでコースアウト。コースに復帰したものの、6位に順位を落としフィニッシュ。S-NKクラスは、すでにタイトルを決めている北川圭一(スズキ)が今季7勝目を挙げた。全日本勢に、スポット参戦の世界選手権ライダーを迎えたシリーズをしめくくる最終戦は、目を離せない激しいレース展開となった。
|