井筒仁康(カワサキ)が4台のトップ争いを制し、今季初優勝を獲得!!
土曜日までの天候不順により、どのチームもドライコンディションでのセッティングを出せないまま、迎えた決勝レース。梁明(スズキ)がよいスタートを切ったが、1コーナーにトップで入ったのは玉田誠(ホンダ)。オープニングラップは、玉田、梁、井筒仁康(カワサキ)、加賀山就臣(スズキ)の順で終える。この4台が、序盤からトップグループを形成し、順位を入れ替えながらラップを重ねる。
6周目、シケインで加賀山がトップに浮上。しかし、翌周は玉田がトップを奪い返す。玉田、加賀山、井筒、梁の順で周回するが、加賀山が再び先頭になり、後続をおさえようとする。12周目、加賀山は玉田にパスされ、梁も3位にポジションを上げる。シケインで周回遅れと重なった14周目、最終コーナーをトップで抜けたのは梁。しかし、16周のトップは玉田、17周目が加賀山、18周目は井筒、19周目は玉田と、上位4台は終盤に入っても激しくのポジションを入れ替える。
しかし、19周目に周回遅れが絡み、玉田、井筒と梁、加賀山の間に差がついてしまう。玉田と井筒の優勝争いとなった最終ラップ、シケインで井筒が玉田をかわす。チェッカーフラッグをトップで受けたのは井筒。僅か0.082秒差で玉田が2位、3位争いの梁と加賀山の差も0.223秒差とスタートからゴールまで、目が離せないレースが展開された。
S-NKクラスの1位は、総合8位の北川圭一(スズキ)。S-NKでチャンピオン争いをしている出口修(スズキ)は、レース開始早々トラブルでピットインしリタイア。北川がS-NKタイトル争いのリードを広げた。
●ライダーのコメント
優勝 井筒仁康(カワサキZX-7RR/カワサキレーシングチーム):
シーズンの前半はトップ争いに絡むことができず、自分でもヤキモキしていた。しかし、後半戦からは気持ちを切り替え、レースに臨んでいる。決勝ではスタートのミスで前と離れてしまったが、追いつくことができ、車体も無理ができるという手応えを感じた。走行を重ねるうちに、前に出られるポイントと出られないポイントが見え、タイミング良く前に出ることができた。スズキ2台と差が少し出来ていることは知らず、前に出られたくなかったので、最終ラップのスプーンで一度前に出た。かわされたが、玉田選手はシケインの進入が厳しそうだったので、抜けるかなと思いながら突っ込んだ。調子は上向きになってきており、待ち望んでいた1勝だ。しかし、仕上げて勝ち取ったものではないと思う。今シーズンはWSBにもスポット参戦し、別世界のレースだと感じている。日本で勝った、勝っていない、というレベルでは通用しないと思う。もっともっとマシンを仕上げていきたい。
2位
玉田誠(ホンダVTR100SPW/チーム キャビン ホンダ):
つらいレースだった。スタートで前に出たが、序盤は抑え気味でまわりをみながら走った。柔らかめのタイヤを選択し、飛ばしていくよりもタイヤを温存しようと思った。しかし、最後までタイヤをもたせても意味のないレース展開になった。コーナーではスピードが上がらなかったが、抜かれたら抜き返し、逃げられないようにした。最後のシケインで誰かがくるのはわかっていた。セッティングが出ないままレースをしたのは、みんな同じ。そのなかでも、他のマシンより煮詰められなかったのではと思う。
3位
梁明(スズキGSX-R750/チーム スズキ):
冷静ではあったが、余裕があったわけではない。レースで主導権を握りたかったが、前に出てもパスされ、ピリッとしなかった。出られる時は、いつでも前に出ようと思っていた。セッティングが出せなかったのはどこも一緒で、マシンの仕上がりで引けを取っていたわけでもない。最終ラップでは前の2台と差ができてしまったが、後ろについていたら行けたかもしれない。終盤のチームメイト同士での争いについては、1-2を取ることもあれば、こういうこともあるということだと思う。
|