高橋英倫(ヤマハ)が最終戦で今季初優勝をあげる!!

　シリーズ全5戦で開催されるST600クラスは、今大会が最終戦となる。スタートは、予選3番手の鶴田竜二(カワサキ)が飛び出し、1コーナーへトップで進入する。しかし、小西良輝(ホンダ)、奥野正雄(ヤマハ)と先頭がかわり、オープニングラップは奥野、小西、山本良伸(ヤマハ)、高橋英倫(ヤマハ)、岡田晃範(カワサキ)の順で終える。翌周、トップ奥野が転倒し大きく順位を落としてしまう。これによりトップに立った山本、高橋、小西の3台がトップグループを形成する。4位の岡田はトップグループよりやや遅れる。

　しかしその翌周、山本が転倒し、トップは高橋、その後を小西、そして岡田の順となる。上位の3台は順位を変えることなく周回を重ね、レース序盤より安定した走行を見せた高橋が初優勝。ランキング2位を獲得した。2位は小西、3位が岡田の順でレースを終えた。転倒後、再スタートを切った奥野はベストラップをマークしながら猛追撃を見せたが、表彰台には届かず4位でフィニッシュした。なお、6位でゴールした藤田啓之(ヤマハ)は、レース終了後に使用ガソリンの違反により失格となった。

●ライダーのコメント

優勝　高橋英倫(ヤマハYZF-R6／SP忠男レーシングチーム):
　今回、武田選手は出場しなかったが、本当は一対一でバトルをしたかった。朝のフリーもよかったので、決勝は最初は離されても、自分のペースで走ろうと思っていた。トップがいなくなった後は自分の走りをするだけと思っていた。乗れてきていたので、楽しくなりペースを上げていった。ラスト3周くらいで小西選手が見えなくなった時、ぶっちぎれたかなと思った。自分の走りができてよかった。ST600は接戦のクラスで、お客さんが見てくれるので楽しい。

2位 　小西良輝(ホンダCBR600F4i／Team HARC-PRO):
　9月にここTIで初めてST600に乗り転倒し、あとは10月の初旬に1時間走行しただけだったので、ぶっつけ本番という状態だった。乗ったことのないバイク、履いたことのないタイヤで何が何だかわからなかった。予選は手堅くまとめたという感じだったが、決勝はタイヤの選択をミスり、ペースを上げられなかった。後ろから岡田選手が来ていることが見えていたので、とりあえずポジションをキープした。このクラスはセッティングの範囲が狭く、ライダーの技量がでてくるので、レベルは高いと思う。うまく走らせることで順位がつき、この年になって修行になった。

3位 　岡田晃範(カワサキZX-6R／TEAM GREEN):
　これまで8位が最高位だったので、この初表彰台はうれしい。朝のフリーではタイムが上がらなかったが、決勝は気持ちが大事だと思っていた。3位の順位を走ることは初めてで、ポジションを守りたい気持ちと、前が見えていたので追いかけたい気持ちの葛藤があった。これまで、スタッフと少しずつ積み重ねてきた結果がここに来て出た。自分の力だけではなく、スタッフに感謝している。