新チャンピオン、武田雄一欠場。ポールシッターは奥野正雄
このTIラウンドが今シーズンの最終戦となるST600クラスでは、全階の鈴鹿で王座を確定した武田雄一が、ダブルエントリーしているスーパーバイククラスに専念するため、出走を断念している。残る上位のライダーたちは、ナンバー2の座を賭けて、今回のレースに臨むこととなったわけだ。金曜の練習走行から好天に恵まれ、選手は午前中のセッションから快調にペースを上げていった。今年から全日本選手権の1カテゴリーに昇格したST600のコースレコードが大幅に塗り替えられたのは当然で、実に14人のライダーが、昨年の地方選で記録されたTIサーキットの記録を上回っている。そんな中、2度のセッションでともに最速タイムをマークし、ポールポジションを獲得したのは、暫定ランキング6位の奥野正雄だ。
奥野は第3戦の鈴鹿で3位に入賞し、表彰台に立った他、第4戦、第5戦でも優勝争いにからんでおり、上り調子にある。もちろん今回もじゅうぶんに優勝を狙うことができる実力の持ち主だ。もてぎ、鈴鹿と、トップグループにつけながら転倒リタイヤを喫した奥野が、持ち前のスピードを結果にむすびつけることができるかどうかが注目の的と言えるだろう。現在ランキング2位の座にある長谷川克憲とのポイント差は16。展開次第では逆転も可能な位置だ。コンマ3秒あまりの差で惜しくもポールポジションを逃した山本良伸は、午後のセッションが始まってまもなく、1分17秒141をマーク。これで予選1位の座を確信した山本は早々と走行を切り上げ、結果的に奥野の逆転ポールを許す結果となったてしまった。3番手は、前回の鈴鹿で最初にチェッカーフラッグを受けながら、ショートカットのペナルティにより今期2勝目を逃した鶴田竜二。昨年、GPの500ccクラスを転戦した小西義輝が、ST600クラスの初レースで予選4位の位置を確保したのはさすがだ。
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