いよいよ2004シーズンがスタートした。開幕戦の舞台は三重県・鈴鹿サーキット。今年も第1戦は2&4レースとなり、フォーミュラ・ニッポン、全日本F3と同時開催。全日本ロードレースはJSB1000クラスのみ行なわれた。
ポールポジションからスタートした渡辺篤がホールショットを奪い、井筒仁康、北川圭一、森脇尚護、浜口俊之と続いていく。このスタート直後の1コーナーでアクシデントが発生。今回、JSB1000にスポット参戦していた高橋裕紀が他車と絡んで転倒。早くも戦列を離れる結果となってしまう。
レース序盤は渡辺を先頭に、井筒、北川、浜口の4台がトップグループを形成。ここから徐々に浜口が遅れ始めると、その背後にはスタートで出遅れた山口辰也がファステストラップをたたき出しながら迫ってくる。そして8周目のデグナーカーブの立ち上がりで浜口がミスしたところを逃さず山口が4位に浮上。さらに山口は9周目に、このレースのファステストラップとなる2分11秒084をマークしてトップグループに加わってくる。
再び4台となったトップグループが動いたのは10周目。まず2位を走っていた井筒が逆バンクでハイサイドに遭い、バランスを崩すと、北川、山口にかわされ4位に順位を落とす。その直後だった。トップ走る渡辺がヘアピンから200Rの間に新設されたシケイン立ち上がりでハイサイド転倒。ペースを上げて、後続を引き離そうとしていただけに、悔しいリタイアとなった。
渡辺の転倒でトップに立ったのは北川だったが、ペースが上がらず山口、井筒にかわされてしまう。そしてレース終盤になると山口と井筒の一騎打ちとなる。井筒は山口の背後をピタリとマークし、勝負所を探っていく。一方、山口もややインを抑えるラインで周回し、両者の戦いは最終ラップを迎える。
最終ラップのS字コーナーでは周回遅れが表れ、山口と井筒はそれを縫うようにかわしていく。さらに新シケインでもバックマーカーに絡み、そのアウト側から山口が、イン側から井筒が抜いていくとスプーンカーブで井筒が山口に並びかける。しかし、山口も引かずにトップを死守。バックストレートを立ち上がり、130R、そして勝負所のシケインを迎える。必死にインを抑える山口のさらにイン側を井筒が突いていく。両者ともギリギリのブレーキングを見せるが、山口が井筒を抑え、うれしい全日本初優勝を飾った。井筒は2位、3位に北川が入った。4位に浜口、5位に出口修、6位に小西良輝と続き、以下、柳川明、大崎誠之、民辻啓、辻村猛と続く結果となった。
|