伝統の鈴鹿2&4レースは、フォーミュラ・ニッポンとの併催となる。以前は、タイヤカスなどの影響でグリップ不足に悩まされることが多かったが、ここ数年は、そんな状況も改善され、不満を言うライダーもいなくなってきている。
衝撃的な速さを見せ、開幕戦を制したヨシムラ+渡辺篤が、今回も注目されたが、予選では、ニューマシンのセットアップに集中。決勝を見沿えた走りで2分8秒882を記録し2列目スタートとなった。フルモデルチェンジしたGSX-R1000は、サスペンションも一新され、ヨシムラのチューニングにより、パワーアップされたエンジンは、間違いなく現在のJSB1000クラスで最速と言っていいだろう。開幕戦では、余りあるパワーを抑える方向でドライバビリティを優先し勝利を手にした。今回も、パワーを路面に伝える部分で苦労しているようだ。
そんなヨシムラの苦労を尻目に、予選で目が覚めるような速さを見せたのが徳留和樹だった。徳留は、鈴鹿を得意としており、一昨年の鈴鹿8耐では、8秒2というタイムをたたき出している。今回も8秒は狙っていたが、それを上回る2分7秒882をマークし、JSB1000クラス初ポールポジションを獲得した。トレーニングもハードにし、自分の意識を高めて鈴鹿入りしたという徳留。初優勝に向けて気合いが入っている。
アベレージで群を抜いているのがセカンドグリッドからスタートする中須賀克行。2分9秒台前半で周回できており、東コースでの速さはピカイチ。アグレッシブなライディングスタイルは必見だ。
フロントロウ最後の3番手グリッドの秋吉耕佑も虎視眈々と優勝を狙っている。秋吉のバイクは、市販パーツを組み込んだものながら、2分8秒521を記録。まだマシンの基本セットが出ていないと語るが、腕で何とかしてしまうのが秋吉のすごいところ。レースでは、アッと驚く走りを見せてくれそうだ。
ミシュラン勢で一番ノレているのが亀谷長純だ。事前テストで転倒を喫し、右足の小指にクラックを入れてしまったが、その次の日にトップタイムをマーク。今回もタイム順でいけば5番手だっただけに、トップ争いに加わっていきたいが、序盤のペースが課題となる。
鈴鹿でのレースは、2003年のMotoGP以来となるノリックは、慣れない環境にやや戸惑っている。マシンの方向性に悩み、クリアラップをうまく取れなかったと言う。しかし、鈴鹿では、ミラクルを何度も起こしてきたノリックだけに、決勝での走りに期待したいところ。今回もロケットスタートを決め、トップ争いに加わりたい。
開幕戦で表彰台の両脇を占めた山口辰也、森脇尚護のモリワキ勢。二人とも今一つという表情を見せていたが、速さは十分持っている。レース終盤まで、いいポジションをキープし、最後に勝負したいところだろう。
JSB1000クラスのレーススタートの予定時刻は、12時50分と、一番路面温度が高いときとなる。開幕戦で渡辺は、固めのタイヤをチョイスし、レース後半に追い上げ、前をいくライバルたちを抜き去って優勝を果たした。今回も同じパターンでくるのか? レース序盤の動きに注目したい。
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