文部科学大臣杯 2010年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ第5戦 スーパーバイクレース in 岡山 主催:岡山国際サーキット(3,703m) 予選レポート DATE:2010-9-25
第4戦から約1カ月、やっと秋らしい気候になり迎えた第5戦は岡山国際サーキットが舞台。ノックアウト方式で行われた公式予選は、開始前に降り出した雨の影響で、いきなりレインコンディションでQ1が始まる。その後、雨は止み、天気も回復したことからQ3では、ほぼドライコンディションとなっていた。 この不安定なコンディションの中、前戦のSUGOで完全復活を果たした伊藤真一は、今回も好調をキープ。予選を冷静に戦っていた。雨が止み、路面が乾く方向だったため、レインセットにしたTカーでQ1を走り6番手につけると、Q2からドライセッティングのメインカーにスイッチ。最終セッションとなるQ3では、最後に予選タイヤを履いて、ただ一人1分29秒台に入れ、鮮やかにポールポジションを奪取した。 「決勝は晴と呼んでいたので、雨では無理せずにいった。最後は、もっといいタイムを出して終わりたかったけれど、雨上がりだからか路面の状態がよくなく、思ったほどタイムを出せなかった。決勝は、中須賀くんも速いと思うし、秋吉、亀谷も来るでしょう。最後に勝てるようにレースを組み立てたいね」と伊藤。 一方、暫定ランキングトップを走っている高橋巧は、Q2で敗退するという緊急事態に陥っている。事前テストからタイムが出ていなかったが、レースウイークに入ると、さらにマシンセッティングが悪い方に行ってしまったようだ。タイトル争いでは、開幕戦以来、ランキングトップを守ってきた高橋巧が、その座を守れるか注目される。前回のSUGOでは決勝朝のウォームアップで調子を取り戻していただけに、7列目からの追い上げに期待だ。 3連覇を狙っている中須賀にとっては、少しでも多く高橋巧とのギャップを埋めておきたいところ。今回は、その絶好のチャンスだ。 「レインはよくなかったのでQ3がドライになってラッキーでした。フロントロウを確保しようとQタイヤでアタックして、一時はトップに立ったんですけれど、伊藤さんが速かったですね。フロントロウが確保できたので、決勝はなるべく少ない台数で早めに逃げたいと思っています」と中須賀。レース序盤から全力で攻めてきそうだ。 事前テストでは、ただ一人1分28秒台に入れ好調だった秋吉耕佑だが、今回のレースウイークに入ると絶不調。なかなか秋吉の思うようなマシンに仕上がらず、コースインしては、すぐにピットに戻り、セッティングを進める姿が見られた。 「初日からの問題がなかなか解決できないでいますね。事前テストのときに1分28秒台で走った仕様と、もう一つの仕様があるので、それを決勝朝のウォームアップで試してみます」とデータがあるだけに、そのセッティングがハマれば、いつもの韋駄天ぶりを発揮するはずだ。 決勝は、中須賀のスタートダッシュが決まれば、序盤からレースをリードしそうだ。そのペースに何人がついていけるかでレース展開が決まってくるはず。アベレージでは伊藤が群を抜いているだけにトップに立てばイニシアチブを握りそうだ。いずれにせよ伊藤と中須賀を中心にレースは展開されるだろう。これに秋吉を始め、ドライのセットを詰め切れていないという柳川明と亀谷長純もトップ争いに絡みたいところ。ノーポイントだけは避けたいが、今回の順位がランキングに大きく影響する可能性も高いだけにタイトルを引き寄せるためにも攻めていきたいだろう。果たしてタイトル争いの行方はいかに!? 今回がターニングポイントとなりそうだ。