シリーズ第6戦の舞台は、阿蘇の自然の中にあるオートポリス。今年は、6月上旬にST600とフォーミュラ・ニッポンの2&4レースがあったため、今回の第6戦は、ST600以外の4クラスを開催。そしてアジア選手権第4戦と同時開催となった。SS600クラスには、全日本ST600クラスを戦うライダーがワイルドカードで参戦している。
台風の接近で天候が心配されたが、進路がそれたため、金曜日、土曜日共に、ドライコンディションでセッションは消化された。JSB1000クラスでは、コースレコードも更新された。ブレイクしたのは、もちろん"韋駄天"と呼ばれる男だった。
ノックアウト方式で争われたJSB1000クラスの公式予選。最終セッションでは、まず加賀山就臣が、コースレコードを更新する、1分49秒507をマークしトップに立つ。その直後に秋吉耕佑が、1分49秒473をたたき出し逆転。これがトップタイムとなり、秋吉が2戦連続、今季3回目のポールポジションを獲得した。加賀山は意地を見せたものの、およばず2番手。3番手の高橋巧もコースレコードをブレイクし、1分49秒699をマークした。
「もうちょっとタイムを出せたと思うけれど、まずまずのタイムを出せたので満足です。安定して走れているし、アベレージは悪くないので、レースを引っ張れれば引っ張るし、ダメなら後ろで見ているかもしれません。去年は、レースが(悪天候の為)できなかったので、九州でいい走りを見せたいですね」と秋吉。
一方、加賀山はポールポジションが獲れず、悔しい表情だった。「もう一歩だったんだけどね。オートポリスは、他のサーキットに比べて、絶対的に走行量が少ないので難しいね。難しいなりに、そこそこまとまったので、決勝朝のウォームアップでもう一歩、セットを詰めて勝負したいね」と加賀山。前回SUGOでは、クラッチトラブルが発生してしまい満足いくレースができていないだけに、今回は、そのうっぷんを晴らしたいところだ。
3番手につけた高橋も好調をキープしている。「秋吉さん、加賀山さんが、予想以上に速かったですね。ボクもアベレージは悪くないので、課題としている、オープニングラップからのペースアップができれば、前回よりいいレースができると思います」と自信をのぞかせた。
4番手には、TEAM GREENの柳川明がつけた。オートポリスは、カワサキのテストコースだけに、いい走りを見せたいところだが、ニューZX-10Rのセットアップに苦戦しており、トップの3台にやや離されている状況だ。
オートポリスを得意としている徳留和樹が5番手に食い込んだ。徳留は、事前テストなしの、ぶっつけ本番で臨んでいるが、健闘し1分51秒782をマークした。「とりあえず一発タイムを出しましたが、アベレージは、まだまだです。オートポリスだから、このタイムがマークできたんだと思います。応援も多いし、頑張りますよ」と徳留。
満身創痍の中須賀克行は、何とか2列目に残った。9月1日の事前テストで転倒し、身体を痛めており、今回は"耐えのレース"となっている。本調子ではないものの、多くの応援を背にチェッカーフラッグを目指す覚悟だ。
7番手には、好タイムをマークした須貝義行がつけ、8番手に出口修、9番手にアプリリアを駆る須磨貞仁と続き、3列目に並ぶ。
予選までの流れを見ると、トップ3が抜きん出ている。中でも秋吉は、走り自体は豪快だが、安定して速く走れている。秋吉が逃げる可能性も少なくないが、加賀山と高橋が、どこまで対抗できるかによって、レース展開が決まってくるだろう。柳川もペースによっては、圧倒的なストレートスピードを生かし、トップグループに加わってくる可能性もある。エキサイティングな展開となりそうな決勝。18周のレースの結末は、如何に!?
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