予選で唯一2分8秒台をたたき出し、ポールポジションを獲得した北川圭一(スズキ)が大方の予想どおり開幕戦を制した。しかし、実際は厳しいレースだったという。
北川は好スタートを見せ、真っ先に1コーナーに進入。これに渡辺篤(スズキ)、江口馨(ホンダ)、辻村猛(ホンダ)、山口辰也(ホンダ)、民辻啓(スズキ)と続いていく。トップを走る北川は、コンスタントに2分10秒台で周回。このペースに渡辺はついていけず、ジリジリと離されていく。その背後には辻村が迫り、4周目のデグナーカーブ進入で渡辺をかわしていく。渡辺はペースが上がらず、さらに山口、井筒仁康(ホンダ)の接近を許してしまう。そして、山口が9周目、井筒は14目にいずれも渡辺をかわし、順位を上げる。その後方では、中冨伸一(ヤマハ)、清成龍一(ホンダ)、出口修(ホンダ)が三つ巴の6位争いを展開。清成が13周目の1コーナーで、出口も14周目のヘアピンで中冨をパスしていく。この争いは最終ラップまで続き、出口が最終ラップのシケインで清成をかわして6位でゴール。中冨は8位でチェッカーフラッグを受けたものの、イエローフラッグ無視のペナルティで失格となっている。
トップを走る北川は、レース終盤になるとタイヤの消耗が激しく、ペースを上げられない。逆に2位を走る辻村はペースを上げ、北川との差を詰めていく。そして最終ラップを迎えると、北川の前方には、バックマーカーの集団が現れる。この時点で、北川と辻村の差は1秒304。ワンミスで十分に順位を入れ換える状況となっていた。しかし、北川は冷静にバックマーカーをかわし、トップでチェッカーフラッグを受け開幕戦を制した。2位は辻村、3位に山口と表彰台に上がり、以下、井筒、渡辺、出口、清成と続く結果となった。
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