この鈴鹿ラウンドを含めて残り2戦となったタイトル争いは、数字上では暫定ポイントリーダーの仲城英幸から、4ポイント差で仲城を追う小山知良、以下葛原稔永、井手敏男、菊池寛幸、小室旭、スハタイ・チャンサップ、則包茂樹、菅谷慎一までにチャンピオン獲得の可能性があるが、ポイント差を考えると、一歩抜け出した仲城、小山に対し、葛原、井手、菊池、小室らが追いかける構図が浮かび上がる。
上位のポイント差が接近しているため、この鈴鹿でタイトルが確定する可能性は低いが、次の最終戦TIで状況を有利に導くためにも、このレースは重要な1戦となる。
予選1回目は、前日に降った豪雨の影響でコース上にウェットパッチが目立ち、予選順位は事実上、完全ドライとなった予選2回目の1発勝負となった。セッション終盤はニュータイヤを装着したライダーが続々とタイムアタックに入り、この激戦を制したのは、最後の最後に2分19秒430を叩き出した小山だ。小山は、予選終了1分前にトップに立った菊池から、チェッカー直前に飛び込んだ最後のアタックでポールポジションを奪い取った。
2番手には菊池が続き、3番手の葛原は惜しくも最後のアタック中にエンジンを焼き付かせている。4番手の竹内吉弘は嬉しい全日本初フロントロー獲得だ。仲城は6番手から虎視眈々と狙う。
決勝レースの展開は、ドライであれば予選でコンスタントに好タイムをマークしていた小山、菊池、仲城、鈴鹿を得意とする葛原大陽らが優勝争いの軸となるだろう。対して葛原は予選でセッティングに手間取り、十分な走り込みができていないのが不安材料だ。決勝日は雨の予報もあるが、金曜日の練習走行で雨のセッティングも進んでおり、レースはドライでもウェットでも実力のあるライダーが前に出てくることは間違いない。
|