前回の鈴鹿ラウンドは、今シーズンの天王山となった。タイトルを争う高橋裕紀と亀谷長純が一騎打ちを繰り広げたが、レース終盤に亀谷が痛恨のコースアウト。転倒は回避したものの5位でゴールするのが精一杯。同じくタイトルを争う青山周平も4位に沈み、ポイントランキングで高橋が一歩抜きん出る状態で、最終戦TIラウンドを迎えることになった。
タイトル争いで有利になった高橋だが、勝って決めたい思いは強い。事前テストでも好調ぶりを発揮しており、また、コースレコードの更新にも意欲を持ってTIに乗り込んできた。金曜日の走行から非公式ながらコースレコードを更新。さらなるタイム短縮を狙って予選に臨んだ高橋は、予選1回目に1分30秒962をマークし、これまでのコースレコードをコンマ7秒も更新。このタイムは2番手につけた横江竜司を1秒以上引き離しており、JSB1000クラスよりも速いタイムだった。予選2回目にタイムを更新することはできなかったが、堂々の今シーズン5度目のポールポジションを獲得。予選2番手につけた横江竜司は予選2回目にタイムを縮め1分31秒529を記録しているが、高橋との差は約コンマ6秒。3番手の青山周平までが31秒台をマークし、以下、中須賀克行、亀谷長純、徳留真紀が1分32秒台で続いている。ランキング4位の藤岡祐三は残念ながら、金曜日に1コーナーで他車に追突されて転倒。左手首を骨折してしまい欠場を余儀なくされている。
高橋が逃げる可能性が高いが、何が起こるか分からないのがレース。「テストに2回も来られたので、仕上がりはいいですね。勝ってチャンピオンを決めたいですけど、レースは走ってみないと分かりませんからね。自分ができる最大限のことをして独走という結果だったら最高です」と高橋もその辺りは百も承知。高橋に他のライダーがどこまでついていけるか、注目したいところだ。
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