いよいよ最終決戦となった。ここまで6戦、4人のライダーが優勝し、混戦模様となっている。そんな中で、優勝1回、3位3回と常に安定して上位につけていた井筒仁康(チーム桜井ホンダ)がランキングトップに立っている。井筒を7ポイントで追うのが山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)。山口は、開幕戦の鈴鹿2&4と第2戦のオートポリスで連勝したが、その後の4戦で表彰台は1回だけで、なかなか勢いを取り戻せないでいる。
しかしこれがこのクラスを象徴していると言える。というのも、このクラスには多くのトップライダーがひしめき、ごくわずかな差でランキング順位が大きく変わるからだ。今年は今一つ歯車が噛み合わないディフェンディングチャンピオン、北川圭一(ケンツMOTULスズキ)、元GPライダーで全日本GP500とスーパーバイクのチャンピオン、伊藤真一(DDBOYS
Racing)、一昨年のJSBチャンピオン、渡辺篤(ヨシムラスズキジョモスリクソン)、元GPライダーの辻村猛(F.C.C.TSR)、全日本GP250のチャンピオン中冨伸一(YSP&PRESTOレーシング)など、国内のトップライダーがここに集結しているのだ。井筒のように、全戦で安定した成績を残さないと、タイトル争いを制することはできないのだ。結果、7ポイント差で井筒がタイトルに王手をかけ、山口は苦しい戦いを強いられることになっている。山口が優勝しても、井筒は3位以内に入っていれば4年ぶりのタイトルが決定する。
この二人のタイトル争いに割って入るのが、後半戦で2連勝している伊藤、そして同じく後半戦にかけて速さを増している中冨、元気いっぱいの渡辺などだ。単純に、タイトルを争う二人の戦いで最終戦が終わる訳ではない。それが、土曜日の予選から展開されていた公式予選1回目、5人がコースレコードをたたき出す、ハイレベルな戦いになった。トップタイムは、逆転チャンピオンを狙う山口。辻村、伊藤、北川と続き、5番手に井筒。これは、タイヤ本数制限のレギュレーションにより、各車とも一発のタイムではなく、決勝を見据えた走行でのタイムと見ることができる。決勝レースでのアベレージは1分31秒台ということになりそうだ。
午後からの予選2回目。残り5分から、各車ともタイヤを交換し、グリッド順位を争うタイムアタックに入った。伊藤、井筒、渡辺の順で走行し、この中で1分30秒001というトップタイムを出したのが井筒。伊藤が1分30秒802で2番手。3番手に渡辺で、タイムは1分30秒991。ここまでの3人が1分30秒台。山口は、午前中の自身のタイムを更新できず、6番手。逆転チャンピオンをねらうには難しい位置からのスタートとなった。
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