レースウィークは最終戦にふさわしい快晴に恵まれた。今回も予選からハイレベルな戦いとなり、ランキングトップにつけている井筒仁康が、これまでのコースレコードを1秒3も更新する1分30秒001という驚異的なタイムでポールポジションを獲得。一方、ランキング2位につけ、逆転タイトルを狙う山口辰也は6番手となったもののアベレージでは1、2を争う速さを見せていただけにレースになればトップ争いに絡んでくると思われた。
運命のスタートが切られると、まず1コーナーにトップで進入したのは3番手グリッドからスタートした渡辺篤。渡辺は、これで3戦連続でホールショットを奪う。以下、井筒、森脇尚護、浜口俊之、中冨伸一、北川圭一と続いていく。森脇は積極的な走りを見せ、オープニングラップの2コーナーで井筒をかわし2位に上がると、2周目のバックストレートで渡辺をかわしてトップに立つ。山口はスタート直後の1コーナーで伊藤真一と接触し、この時点で7番手を走行。伊藤も10番手と大きく出遅れてしまう。
4周目のバックストレートからヘアピンの進入で森脇をかわした井筒はペースを上げ、後続を引き離しにかかる。これに森脇はついていくが、渡辺は遅れ始める。その背後には、中冨、浜口、そして追い上げてきた山口と伊藤が迫る。12周目に伊藤が山口をかわして4位に上がると、14周目にペースの上がらない渡辺を伊藤、山口が立て続けにパスしていく。伊藤は、ここからファステストラップを連発する走りでトップグループに迫っていく。山口もこれについていきたいところだったが、ペースを上げることができない。
トップ争いは15周目に再び森脇が前に出るが、17周目には伊藤が追いつき、三つ巴のバトルとなっていく。18周目のヘアピンでペースの上がらない森脇を井筒がかわしてトップに立つと、翌19周目に伊藤も森脇をかわして2位に上がると、一騎打ちの様相を呈していく。そして、22周目のヘアピンで伊藤が井筒をかわしてトップに立つと、バックマーカーをうまくかわしながら周回を重ねトップでチェッカー。3連勝を飾りランキング4位でシーズンを終了した。井筒は2位でゴールし、2000年以来、4年ぶり2度目の全日本チャンピオンを獲得した。3位には山口の追い上げをかわした森脇が入り、今季3度目の表彰台に上がった。山口は4位でゴールし、ランキング2位となった。5位争いは中冨が制し、出口修、渡辺、柳川明、北川、辻村猛、浜口の順でチェッカーフラッグを受けている。
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