寒気が入り込んだ影響で決勝日は朝から雨が降ったり止んだりする不安定なコンディション。金曜日のA.R.T.合同走行、土曜日の公式予選とドライコンディションで行なわれてきただけに、雨になれば誰が勝つか分からない状況となることが予想された。天気の影響で、タイムスケジュールも大幅に変更。JSB1000クラスのスタートするころは、気温も下がり風が強く吹いていた。空もどんよりと曇り、いつ雨が降ってきてもおかしくない状況だが、ドライコンディションの中でスタートが切られた。
オープニングラップは波乱の展開となった。まず、金曜、土曜と全セッションでトップタイムをマークし、ポールポジションからスタートした中冨伸一がロケットスタートを見せるが、3コーナーを立ち上がった300Rの切り返しで転倒。2コーナーでも亀谷長純がコースアウトするなどアクシデントが発生する。この混乱の中、トップでホームストレートに帰ってきたのは、何と3列目からスタートした中須賀克行だった。これに世界から全日本に戻ってきた松戸直樹、スタートで出遅れたものの驚異的なリカバリーで追い上げてきた山口辰也、伊藤真一、渡辺篤、辻村猛、柳川明、出口修、八木孝弘と続く。
2周目には、山口と伊藤が、松戸をパスしてポジションアップ。さらに伊藤は山口も抜いて2番手に上がると、中須賀もかわしてトップに浮上する。山口も中須賀をかわして伊藤を追いたいところだったが、マシントラブルが発生してしまい6周目のホームストレートでスローダウン。1コーナーの手前でマシンを止め、悔しいリタイアとなってしまう。かわって2番手に浮上したのは柳川だが、伊藤のペースは速く、その差をジリジリと開き独走体制を築いていく。6周目に辻村が3番手に上がり、その後方では松戸、中須賀、渡辺、出口が4位争いを繰り広げる。
レース中盤ごろから、霧状に降っていた雨が大粒となり、危険な状況となってきていた。赤旗が提示されたのは18周目。16周終了時点での順位でレース成立となり伊藤の優勝が確定した。2位は柳川、3位に辻村となった。4位争いは渡辺が制し、出口、中須賀、松戸の順でフィニッシュ。その後方では今野由寛とのバトルに競り勝った須貝義行が8位でゴールしている。
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