桜前線の通過とともに、全日本ロードレースが開幕した。開幕戦となった、ここMINEサーキットでの全日本開催は、2002年以来となる。春の暖かな日差しの下では汗ばむこともあるが、冬の名残りの冷たい風が吹くと、ジャケットをもう1枚着たくなるほど肌寒い。
昨年のチャンピオン、井筒仁康が引退、プロゴルファーを目指すと記者発表があった。前年チャンピオンのいないシーズンとなった。
井筒の引退をはじめ、JSBクラスでは顔ぶれが多少変わってきた。2003年のチャンピオン、北川圭一は全日本を離れ、今年はフランスのチームから耐久選手権に出場する。先週行なわれたオランダ、アッセンでのレースで早くも優勝し、耐久チャンピオンへの第一歩を踏み出した。
彼らの代わりにJSBに参戦する新しい顔ぶれとして、井筒の代わりにGP250から亀谷長純がチーム桜井ホンダから参戦、同じくGP250から中須賀克行(SP忠男レーシングチーム)、藤岡祐三(ENDURANCE)の二人が、また今野由寛(Moto
Map SUPPLY)がST600からスイッチしたほか、世界GPから戻ってきた松戸直樹(モリワキMOTULタイガーレーシング)が参戦するなど、話題には事欠かない。
金曜日の合同走行では中冨伸一(YSP&PRESTOレーシング)が光る走りを見せてトップタイム。中冨は土曜日の予選も絶好調で、予選1回目から1分24秒462とコースレコードをたたき出す。2002年の全日本では、スーパーバイクとJSBの混走だったため、コースレコードとして残っているタイムはスーパーバイクのもの。中冨は3年のブランクの後、JSBでスーパーバイクのタイムを破っている。レコードタイムを記録したのは中冨一人。事前からテストを重ねてきた結果を見事に出すことができた。
選2回目には、さらにタイムを縮めて堂々のポールポジション。予選中、常に中冨に次ぐタイムをマークし続けていたのが伊藤真一(ホンダドリームRT)。グランプリではブジヂストンのタイヤ開発ライダーとしてドゥカティを駆り、全日本ではCBRを駆るという超人的な2車乗りで予選2番手。予選3番手は昨年のST600チャンピオンで今年もST600とのダブルエントリーの辻村猛(F.C.C.TSR)が僅差で続いた。金曜日の走行、予選1回目、予選2回目と常に4番手だった柳川明(TEAM
GREEN)はグリッドも4番手。フロントロウはベテランが占める結果となった。予選2列目は森脇尚護(Team高武RSC)、山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)、亀谷、出口修(DyDo
MIU Racing)と、ホンダ勢が並ぶ。モリワキがダンロップ、亀谷がミシュラン、山口と出口はブリヂストンを履く。松戸の全日本復活レースは10番手グリッドからのスタートとなった。
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