金曜日のA.R.T.合同走行から土曜日の公式予選、日曜日の決勝まで、すべて雲ひとつない晴れと最高の天気の下で行なわれた第2戦。「鈴鹿2&4レース」は2輪&4輪の最高峰レースを同時に観戦できる人気の恒例イベントだが、ライダーにとってはいつもと違う路面状況を瞬時に判断しなければならないシビアなレースである。しかも上位陣のタイムは拮抗、僅差の競り合いは必至と、17周の決勝は緊張感たっぷりの状態で行なわれた。
スタートから飛び出したのは予選4番手の辻村猛。続いて渡辺篤、中冨伸一、伊藤真一というメンバーでトップグループが形成される。この中で主導権を握ったのは、コースレコードを更新してのポールポジションを獲得するなど、予選から速さと強さの両方を見せていた伊藤だった。独走で優勝した開幕戦に続いて今回も、と思われるハイペースで、2周目には2分9秒台に入れるファステストラップを記録して3周目にはトップに浮上する。
ところが辻村、中冨らも引き下がらなかった。逃げる伊藤に対し、僅差を維持して周回を重ねていく。4輪が走行した直後の路面は非常に滑りやすく、誰もがマシンコントロールに苦労したが、トップグループは2分10秒台前半を維持した。さらにスタート直後は7番手と出遅れていた山口辰也も徐々に追いつき、レース後半に入ってからは4名によるトップ争いが展開されることになる。山口は伊藤を上回るペースで追撃し、12周目には中冨、13周目には辻村をかわし、2番手に浮上する素晴らしい走りを見せた。
この山口の追撃に気づいた伊藤は終盤に再びペースを上げ0.7〜1秒のアドバンテージを維持、結局そのままチェッカーを受けて2連勝を果たすが、周遅れの入るタイミングによってはどうなるかわからない、決して余裕があるとは言えないレースだった。2位の山口に続いて表彰台を獲得したのは、終盤に辻村をかわして3位に浮上した中富だ。
4名のトップ争いの後方では森脇尚護、渡辺篤、柳川明の3名が激しいバトルを展開するが、森脇は転倒して脱落。渡辺はエンジンが一瞬止まるトラブルが発生して後退。柳川が単独の5位となり、再びペースを取り戻した渡辺は7位でゴールした。6位にはやはり単独走行となった出口修が入り、予選の好調を維持できなかった松戸直樹も単独の8位に。
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