長い夏休みを経て、3カ月振りの全日本開催だ。JSBクラスは今回が5戦目。ランキングトップは元全日本チャンピオン、グランプリライダーの伊藤真一(ホンダドリームRT)。5戦中2勝し、2位以下を大きく引き離している。この3カ月間、鈴鹿300km耐久と8耐があり、伊藤は8耐に出場、3年連続のポールポジションを獲得し、今、国内で一番速いライダーであることを大舞台で証明した。
ランキング2位には、優勝こそないものの、2回の2位入賞など、安定して上位でチェッカーを受けているベテラン柳川明(TEAM
GREEN)。8耐に出場していない柳川だけに、3カ月間のテスト期間は十分なインターバルと言える。柳川に続くランキング3位は筑波、オートポリスと2連勝し、伊藤の昨年から続く連覇をストップさせた中冨伸一(YSP&PRESTOレーシング)。今季、最も成長しているライダーとして、注目株だ。
予選が1時間、1回のみというスケジュールが今シーズン途中から採用されたため、今回もJSBは13時25分から1時間のセッションで戦われた。また、金曜日の特別走行日は雨に見舞われたため、この1時間の予選時間内でセッティングを詰め、タイムを出さなければならない。
予選開始と共に、各車とも積極的にタイムを出していく。まず5周目、伊藤が1分29秒663をマークしリーダーボードのトップに、続いて6周目、中冨が29秒777で2番手につける。その後ろ、山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)、柳川、松戸直樹(モリワキMOTULタイガーレーシング)、亀谷長純(チーム
桜井ホンダ)、渡辺篤(ヨシムラスズキジョモスリクソン)までが序盤に30秒台に入れている。
予選時間の半分、30分が経過したころ、山口が29秒798をマーク。さらに数周、決勝ペースと思われる速い周回を続け、29秒715で2位に浮上した。しかし、三人ともまだ1分29秒台後半のタイムだ。まだどのライダーもピットインを繰り返し、セットアップに集中している状態。
残り13分、まず亀谷が動いた。タイムアタックを開始し、コースレコードを破る1分29秒072をマーク、リーダーボードのトップに躍り出た。残り10分を切り、タイムアタック合戦が始まった。渡辺29秒142で2番手に、さらに中冨が1分29秒215、小西良輝(プレクサス&HARC-PRO)が1分29秒371と、続々と1分29秒台前半のタイムをたたき出す。この時点で亀谷、渡辺、中冨、小西、伊藤、山口の順。残り5分を切って、今度は山口が29秒281をマークして4番手に浮上。そして最後の最後、主役が登場した。伊藤がきたのだ。1分28秒890というタイムで一気にトップに躍り出た。そしてチェッカー。一人28秒台をマークして今季3度目のポールポジションを獲得した。亀谷が2番手、3番手に渡辺、最後のフロントロウは中冨が入った。
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