約3ヶ月の沈黙を破って、後半戦がスタートした。前半戦は昨年王者の仲城英幸が予想外の苦戦を強いられ、対抗馬の菊池寛幸がポイントリーダーの座を守って折り返した。菊池は6ポイント差でランキング2位に付けるヤマハのエース、井手敏男と談笑しながら「一戦一戦確実に戦っていくだけです」と気負う素振りを見せなかったが、そこではベテラン勢同士の駆け引きが始まっていた。SUGOはヤマハのホームサーキットであり、井手にとってもここで勝利を収め、ポイント差を詰めたい所だ。
ランキング3位の小室旭は昨年のSUGOラウンドで2位の成績を残しており、得意のSUGOで全日本初勝利を狙っている。同ポイントの竹内吉弘も好調だ。
一方、前半戦で出遅れた仲城は「優勝を狙います」ときっぱり言い放った。仲城が逆転タイトルを手にするには、少なくとも後半戦で圧勝し、ライバルの出方を待つことになるが、卓越したトップスピードを誇る仲城のJhaチューンRS125Rはそれだけでライバルにプレッシャーを与えており、その可能性は皆無ではない。
予選は、2回目の終了10分前から熾烈なタイムアタック合戦が開始され、最後に菊池が逆転でポールポジションを手にした。2番手には僅差で井手がつけ、ベテラン同士一歩も譲らない。しかし3,4番手に日本GPへのワイルドカード参戦を予定している19歳の濱本裕基、21歳の葛原大陽と続き、5番手はスポット参戦の超新星、13歳の中上貴晶とヤングパワーが爆発した。予選上位のタイム差がほとんどないことから、決勝は大混戦が予想されるが、ここでは普段と一風違う若手の台頭が見られそうだ。ベテランが若手の挑戦を退けるのか、それとも若手がベテランに引導を渡すのか。ここでの勝者が残り3レースの主導権を握ることになるだろう。
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