2005年シーズンも残り3戦となり、タイトル争いが佳境を迎えてきた。前戦SUGOを制し、ポイントリーダーとして鈴鹿に乗り込んできたのは40歳のベテラン菊池寛幸だが、金曜の練習走行でエンジンの焼き付きを起こし「今は決勝を最後まで走り切ることで精一杯です」とそれどころではない状態だ。ランキング2位の井手敏男は鎖骨骨折を抱えて事前テストなしのぶっつけ本番となったが「タイトル争いは気にしていませんが、残りは全部勝つつもりでいます」と必勝を期する。
一方、このレースの勝敗という意味では、Jhaチューンのトップエンド仕様RS125Rを武器とする仲城英幸と葛原大陽の二人は見逃せない。特に葛原は1週間前の日本GPでワイルドカード勢トップの成績を残し、その勢いのまま金曜のフリー走行でトップタイムを叩き出した。鈴鹿では昨年、一昨年とトップ争いに加わっているだけに「残りは全部勝つつもりでいますが、特に鈴鹿だけは譲れません」とSRS-J(鈴鹿サーキット
レーシングスクールジュニア)出身の葛原は言う。
さまざまな思惑が交差する中、予選では中盤頃に「ちょうどいいタイミングでクリアラップがとれた」という仲城がコースレコードを叩き出し、ポールポジションを獲得した。葛原は最後のアタックで東コースまでトップタイムをマークしていたが、最終区間で遅いバイクに引っかかった影響から2番手に止まった。3番手はエンジンを修復して持ち直した菊池となった。
決勝は混戦模様が予想されるが、仲城、葛原、菊池の予選タイムが抜け出ていることを考えると、この3人が集団を抜け出す可能性が高い。一方でタイトル争いの当事者である菊池(67ポイント)と井手(58ポイント)の駆け引き、そして予選上位につけた16歳の大谷和也、20歳の濱本裕基、13歳の中上貴晶らに22歳の葛原を加えた伸び盛りの若手にも注目したい。
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