青空が広がったものの、強い風の中でのレースとなったGP125クラス。ポールポジションから好スタートを見せた仲城英幸がホールショットを奪い、柚木伸介、菊池寛幸、葛原大陽、山本武宏、小室旭と続いていく。ポイントリーダーの菊池寛幸は、やや出遅れ6番手でオープニングラップを終える。セカンドグリッドからスタートし、好調な葛原は2周目に3番手に上がり、トップを追うがヘアピンで転倒。再スタートし、ファステストラップを記録していただけに、惜しいレースを落としてしまった。5番手につけていた小室も、マシンに問題が発生し、ピットイン。トップ争いから脱落してしまう。
序盤は、仲城がレースを引っ張り、柚木、菊池、山本の4台がトップグループを形成。その後方では、中上貴晶が単独で5番手を走っていたが、濱本裕貴と井手敏男が追いつき、3台がセカンドグループとなる。トップ争いは、柚木、仲城、菊池と目まぐるしく入れかわる。その間、5番手には、井手が上がり、トップグループを上回るペースで追い上げてくる。8周目には、完全にトップグループに加わり、7台の集団にふくれ上がる。井手は、ファステストラップを出した勢いのまま、9周目に仲城、柚木をかわして2番手に浮上するし、12周目には菊池をかわしてトップに立つ。しかし、それも束の間、追い上げてきた濱本がスプーンカーブ進入で井手をかわしていく。その直後のバックストレートで集団は横一線にならぶ125らしい大混戦となる。
ここで柚木がトップに出て行き、井手は6番手に後退してしまう。かわって山本が4番手に浮上してくる。山本は、14周目に仲城をかわして3番手に上がるものの、すぐに仲城も抜き返すし、最終ラップには柚木、菊池、仲城、山本、井手、濱本、中上のオーダーで突入していく。様々な思いが交錯しながら、チェッカーを目指すトップ集団。ヘアピンを立ち上がり、2輪専用シケインで山本と井手が転倒。5台となったトップ争いは、バックストレートから最後の勝負所となるシケインを迎える。ここでブレーキングを遅らせた仲城がトップに浮上。菊池、柚木の順で最終コーナーを立ち上がっていく。仲城はアウト側、菊池はイン側のラインを洗濯。柚木はちょうど二人に挟まれてしまい、前に出られない。ゴールラインを先に通過したのは菊池!
仲城は僅か0.011秒届かず2位。柚木が3位と劇的な幕切れとなった。菊池は鈴鹿で初優勝。今シーズン3勝目を飾った。井手は再スタートを切ったものの、11位となったため菊池が悲願のチャンピオンに王手をかけた。
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