2006年シーズン後半戦がスポーツランドSUGOで幕を開けた。最大の注目は、前半3戦で全勝という圧倒的強さを見せた横江竜司の連勝が続くのか、それとも誰が横江を止めるのかに集まっているが、SUGOは仙台出身/在住の横江にとって地元であり、全日本初優勝を達成した得意のサーキットである。
地元で友人や知人の来訪も多い横江は「新しいフロントタイヤを装着して、だいぶ良くなりました。でもそのためリヤとのバランスが崩れたので、その解決法を探っている所です」としながらも予選開始後すぐに好タイムをマークし、最後のアタックに備えてピットで待機する余裕さえ見せた。そして終了間際にコースへ飛び出し、1分30秒465をマークしてポールポジションを獲得した。
しかし今回のレースがひと味違うのは、ライバルたちがメキメキと力を付けていることだ。筆頭は成長著しい高校2年生の高橋巧で、2番手グリッドを確保した。「事前テストは2回ともうまくいきました」と笑顔を見せる高橋からは、前半戦の時のように「横江さんに離されないようついていきたい」という先輩を立てる発言は聞かれず、横江の地元で連勝を止める気だ。3番手はベテランの及川誠人で「優勝して日本GPへいい流れ作りたい」と連勝阻止を狙う。4番手は筑波で横江を追い詰めたタイ期待のラパター・ウイライローで「そろそろ勝ちたい」と本気で初優勝を狙っている。
続くGP経験者の宇井陽一とルーキーの濱本裕基も後半戦を迎えて250ccでも真の実力を発揮し始めており、予選で2番手以下を0.5秒以上引き離している横江も、うかうかとしてはいられない。横江が連勝街道を突き進むのか、それとも誰かが横江を止めるのか。決戦の火蓋は8月27日の午後3時過ぎに切って落とされる。
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