今回もST600クラスの公式予選は8人がコースレコードを更新するコースレコードラッシュとなった。第3戦筑波に続き、スポット参戦した新垣敏之が、金曜日の走行から驚異的な速さを見せていたが、予選1回目のセッションで、いきなり1分32秒368という先制パンチを見舞った。このタイムには、レギュラーメンバーも驚きを隠せなかった。
酒井大作は、「速すぎる。絶対出せないタイムだ」と語っているほど強烈なインパクトだった。その酒井は、2回目のセッションで炎のアタックを敢行。SPコーナーでは、コースアウト寸前という渾身のライディングを見せ、1分32秒193をマーク。昨年、自身がたたき出した1分33秒229というコースレコードを1秒以上更新。見事、ポールポジションを獲得した。「大事なのは決勝。レース序盤は無理をせずに気をつけて、チャンスがあれば前にいく。とにかく無事にゴールしたい」と酒井。開幕戦で優勝しながらも、筑波、オートポリスとノーポイントが続いている。さらに昨年のSUGOのレースでも、スタート直後に接触し、ノーポイントとなっているだけに今回は何が何でもチェッカーを受けたいところだ。
新垣敏之は、前回参戦した筑波では3位に入っているが、今回は、一気に表彰台の真ん中を狙っている。「テストは先週、スポーツ走行で一度走っただけ。マシンも筑波のときから変わっていないけれど、勝ちを狙っていくよ」と自信をのぞかせる。
暫定ランキングトップを走る渡辺篤は、金曜日のJSB1000のセッション中にバックストレートで鳥と接触し、右肩を強打していたが、その影響を感じさせない走りで3番手グリッドにつけた。ダンロップ勢で唯一、フロントロウにつけた大崎誠之は、「ダンロップタイヤに合うセッティングが煮詰まってきたので、気持ちよく攻められている。理想は序盤から(酒井)大作と逃げられればいい。それで勝てれば最高だね」と大崎。ゼッケン1をつける安田毅史は、先週のテスト中にオイルに乗り転倒。左ヒザを痛めているが、2連覇を達成するためには、今回は必ず勝っておきたいところだ。
酒井が逃げることができるか? 新垣がどんな動きを見せるか? レース終盤まで何台がトップ争いに残っているか? 不確定要素が多い第5戦SUGO。その行方から目が離せない!
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