ポールポジションからスタートした中上貴晶がホールショットを奪い、2番手グリッドの富沢祥也、初めてフロントロウにつけた岩田裕臣が続く。岩田は、オープニングラップのアトウッドカーブで富沢をかわすが、中上をマークしたい富沢は、すかさず岩田を抜き返す。中上を先頭に、富沢、岩田の3台が、オープニングラップから4番手以下を引き離し、トップグループを形成していく。
2周目の1コーナーでは富沢が中上をかわしてトップを奪う。これに岩田も続き、アトウッドカーブで中上をかわす。しかし、中上もダブルヘアピンの進入で抜き返し、再び2番手に浮上する。トップを走る富沢は、ややリードを広げるが、中上もペースを上げて、その差をつめていく。そして5周目のホームストレートで中上が富沢をかわしてトップを奪う。中上と富沢は、次々と順位を入れかえる激しいバトルを繰り広げていくが、8周目のバックストレートで富沢は、捨てシールドを取ろうとした際に、キルスイッチを押してしまい失速。このまま中上が独走体制を築くかと思われた。岩田も、この辺りから遅れ始め単独3番手を走行する。その後方では、井手敏男、竹内吉弘、井上誠、徳留真紀、山本武宏が激しい4番手争いを繰り広げていた。また、22番手グリッドから9番手まで追い上げていた菊池寛幸は、12周目にマシントラブルでリタイアしている。
トップ争いは、レース終盤を迎えた13周目辺りから、富沢がペースを上げ、ファステストラップたたき出して中上との差を縮めていく。14周目に富沢は、中上の背後に迫ると15周目のヘアピンでトップに浮上する。再び激しいバトルを始めた2台は、順位を入れかえながら最終ラップを迎える。トップを走る中上は、全力の走りで富沢を抑えきりトップでチェッカー。5連勝で見事チャンピオンを獲得した。富沢は、惜しくも2位。岩田が3位でゴールし、全日本で初めて表彰台に上がった。
2列目8番手グリッドにつけていた仲城英幸は、朝のウォームアップで転倒。右手を痛め、決勝をキャンセルした。
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