全日本ロードレースで一番タイトなコースでもある筑波ラウンド。1周のラップタイムは1分を切り、迫力の接近戦が繰り広げられる。
昨年、筑波ラウンドでJSB1000とST600でダブルウインを飾っている渡辺篤が、今回も速さを見せるのは確実と思われたが、金曜日の午後に転倒。予選タイヤでのアタック中に転倒したのは初めてと語り、この転倒の影響もあり予選も攻めきれなかったという。「フロントロウに並びたかったけれど仕方がない。去年のレースもボクと伊藤さんは56秒後半で周回していたし、今年は、それ以上のペースになるだろう。みんな速いけれど変な自信があるんだよね(笑)。周回遅れに注意しながらいくよ」と渡辺。ベストタイムは、決勝用タイヤで記録したものであり、タイヤのライフも全く問題ないと自信を見せる。
ポールポジションを獲得した秋吉耕佑は、今回も爆発的な走りを見せてくれた。「予選1回目にタイムが出せたので、2回目にガラッとサスセッティングを変えたら、それがよかった。抱えている問題が少なくなってきているので、いい感じだと思う」と昨年の第5戦SUGO以来となるポールポジション獲得した秋吉。豪快なスライド走法は必見だ!
ノリックも最後の最後に魅せてくれた。予選1回目を終えた時点では「失敗してしまった」と語っていたが、予選2回目のセッション終了間際にタイムアタックに入ると秋吉に肉薄するタイムをマーク。僅かに届かなかったが、セカンドグリッドから今回もスタートダッシュを見せてくれそうだ。
前回のウイナー亀谷長純も好調を維持している。アベレージもいいだけに、今回も中盤から前に出てくるレースとなるか!? 今回もレース序盤での踏ん張りが課題だ。
JSB1000、1年目の酒井大作も好調だ。慎重に丁寧にスムーズに走らすことに重点を置きながらライディングし、金曜日はトップタイムをマーク。予選でもタイムを縮め、3番手フロントロウと存在感を示している。決勝で、どんな走りを見せてくれるか注目だ。
同じくJSB1000、1年目の横江竜司は、開幕直前に鎖骨を骨折したため、今回がデビューレースとなる。まだ、ケガは癒えていないものの、セカンドロウ8番手グリッドにつけた。
公式予選では、開幕戦からキレのあるライディングを披露していた中須賀克行が予選2回目開始早々に第2ヘアピンで転倒。骨折はなかったものの肺挫傷となってしまい残念ながら決勝はキャンセルすることになってしまった。また、今野由寛は、オートポリスのテストで転倒。腰椎を破裂骨折する重傷を負い、現在も福岡の病院に入院中。鈴鹿300kmからの復帰を目指していると語っていた。
ポールポジションの秋吉から僅か1秒差の中に15人のライダーがひしめく結果となった公式予選。前回は、ズルズル後退してしまった秋吉がリベンジを果たすか? 猛者がひしめくJSB1000クラスを見逃すな!
|