今シーズン、全日本ロードレース選手権で一番の激戦区となっているのがST600クラス。JSB1000クラスから手島雄介、佐藤裕児、GP250から関口太郎、濱本裕基、GP125から渡辺一馬、そしてスーパーバイク世界選手権から全日本に復帰した中冨伸一が参戦するなど実力のあるライダーが集結し、話題に事欠かない。今回の開幕戦筑波には47台が出走し17台が予選落ちとなったが、ポールポジションを獲得したのは44歳の大ベテラン、新垣敏之だった。トライアンフでエントリーしていた新垣だったが、マシンが間に合わないため、急遽'08年型ヤマハYZF-R6を借りてきたと言う。タイヤは、今回初めて履くピレリ。18年前にGP250クラス時代を走っていたときのメカニック、ガレーヂ国政の国政氏に来てもらい、いい感じになってきたと言う。新垣は、2年前にも筑波でポールポジションを獲得しているが、そのときはHonda CBR600RRを駆っており、このときは58秒847をマークしている。マシンを選ばない速さは目を見張るものがある。決勝でどんな走りをするか注目したいところだ。
2番手につけた手島は、4年振りのST600でのレースとなる。JSB1000クラスを3シーズン走ってきただけに、そのスキルは確実に上がっている。「ちょっと問題があって午後はタイムアップできませんでしたが、原因が分かったので決勝は大丈夫でしょう。理想は逃げたいですけれど難しいでしょう。小西さんはレース運びがうまいので、勉強したいですね」と手島。ディフェンディングチャンピオンの小西良輝は今シーズンよりサスペンションをホワイトパワー製に変更。「少ない時間の中でトライしながら、いい状態になってきました。決勝は手島との争いになるでしょう」とレースを展望する。4番手にカワサキZX-6Rを駆る清水直樹が入り健闘。佐藤裕児、佐竹隆幸、武田雄一とヤマハ+ダンロップの組み合わせが続き、渡辺一馬、野田弘樹が3列目に並ぶ結果となっている。
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