今回もピレリ旋風が巻き起こったST600クラス。主役は何とタイ人ライダーが演じた。
ポールポジションからスタートした山口辰也が1コーナーへ真っ先に進入していくが、インから4番手グリッドのデチャ・クライサルトが前に出ていく。以下、チャロンポン・ポラマイ、中冨伸一、佐藤裕児、徳留和樹、稲垣誠、大崎誠之、國川浩道、小林龍太、大木崇行、野田弘樹、関口太郎と続いていく。オープニングラップの馬の背コーナーでは、スタートで出遅れた大崎が転倒。早くも戦列を離れてしまう。初日から好調なチャロンポンは、山口をかわして2番手に上がると、2周目にはチームメイトをかわしてトップに立つと3周目のこのレースのファステストラップをマークしてレースをリードする。このペースについていけたのは、デチャと山口のみ。レース序盤は三つ巴のトップ争いが展開されていく。その後方では、中冨を先頭に、佐藤、稲垣、國川、徳留、大木が4番手争いを展開していたが、6周目に佐藤がマシントラブルでリタイア。さらに野田弘樹がレインボーコーナーでハイサイド転倒、その直後を走っていた阿久津昇輝もコースアウトし転倒リタイアに終わる。
トップ争いが動いたのは10周目だった。それまで3番手につけ様子をうかがっていた山口が、シケインのブレーキングでデチャをかわして2番手に浮上、チャロンポンの背後につける。山口にかわされたデチャは、徐々に遅れ始め、トップ争いはチャロンポンと山口の一騎打ちとなる。レース終盤になり、山口は各コーナーでチャロンポンにプレッシャーをかけていくが、かわすことはできず、チャロンポンがトップでチェッカー。山口は僅かに届かず悔しい2位。3位にデチャが入り、タイ人ライダーが2人表彰台に上がった。
4位には中冨とのバトルを制した國川が入り、大木、稲垣と続いた。8位には最終ラップのシケインで中上貴晶をかわして小林が入賞。以下、井上哲悟、渡辺一馬、関口太郎、横江竜司、徳留、中山真太郎と続いた。
チャロンポンとデチャは、5月の第3戦オートポリス大会のST600にも参戦していたほか、併催された彼らの主戦場であるアジアロードレース選手権でも、1-2フィニッシュを飾っている。今回併催されたUAM(アジア国別対抗ロードレース)もそうだが、今後さらにアジア地域のライダー、チーム、との交流も必要になるだろう。 |