文部科学大臣杯 2011年 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦 鈴鹿2&4レース 主催:鈴鹿サーキット(5.821km) JSB1000予選レポート DATE::2011-05-14
待ちに待った2011年シーズンが鈴鹿2&4レースで開幕した。今年もJSB1000クラスとフォーミュラ・ニッポンという国内最高峰レースの共演となった。 土曜日の公式予選は、朝から快晴となりノックアウト方式で争われた。ここで速さを見せつけたのは、やはり秋吉耕佑だった。秋吉は、このレースウイークで今年初めてJSB1000マシンをライディング。雨となった木曜日の特別スポーツ走行から、ノックアウト予選のQ3まで、すべてのセッションでトップタイムをマーク。好調ぶりを見せつけた。 「マシンは、今回がシェイクダウンと言っても、昨年と大きく変わっていないし、去年のベースセットがあるので順調にきています。路面の状態があまりよくなかったので、Q3は淡々と走った」と言いながらも、2分07秒121をマークし、ポールポジションを獲得した。 この秋吉に0.013秒差と肉薄したのが自らのチームを立ち上げ、全日本に8年振りに戻ってきた加賀山就臣だった。最後のアタックでベストタイムをマーク。世界で活躍してきた実力を見せつけた。 「予選では2番手までこられたけれど、まだチーム全体の実力としては、そこまで届いていない。まだまだトップを狙うには厳しい状態だね。秋吉、伊藤さん、中須賀が速いんだろうね。秋吉がレースメイクするのかな? 協力してくれている人たちのおかげで、今、自分がここにいられる。よろこんでもらえる結果を残していきたい」と加賀山。現状では、実力以上のタイムをマークできたと語っていたが、レースでも、その走りに注目したいところだ。 3番手にはJSB1000、3年目となる高橋巧がつけフロントロウ最後のグリッドを獲得。昨年、後半戦で調子を崩していた巧だったが、今年のマシンとの相性はいいようで、セッション毎にタイムを削っている。「2分06秒台に入れられるかな? と思ったんですけれど無理でしたね。レースでは秋吉さんや加賀山さんに、ついていけるように頑張ります。もちろんチャンスがあれば勝負しますよ」と謙虚(?)に強気なコメント。 秋吉のTカーで急遽参戦が決まった伊藤真一も、このレースウイークで今年初めてJSB1000マシンを駆った。この日、行われた鈴鹿8耐発表会では、秋吉と2年振りにコンビを組むことも明らかにされ、それを見越しての参戦となった。「まだまだ被災地では、大変な状態ですが、ボクが走ることで一人でも元気になってくれればと思っています。実際、まだまだ、やることは多いですが精一杯走るだけです」と惜しくもフロントロウは逃したものの、相変わらずの速さを見せている。 ゼッケン1を奪還したい中須賀克行は、金曜日の走行で転倒を喫し、腰を強打。痛みはあるものの、セッションが始まれば、いつも通り気合いの入った走りを見せた。 「トップ4にアベレージで遅れを取ってしまっているけれど、決勝朝のウォームアップも使ってギリギリまでもがきますよ。スタートを決めてオープニングラップは、トップで戻ってこられるようにしたいですね」と、いつものスタートダッシュを決める構えだ。 6番手にはカワサキ最上位タイムをマークした芹沢太麻樹がつけ、鈴鹿レーシングで初レースとなる徳留和樹、カワサキで初レースとなる大﨑誠之、出口修と続いている。カワサキのエース柳川明は、ニューマシンとタイヤの相性に苦しみ12番手。6番手以下の戦いも激しくなりそうだ。 ライダーが声をそろえているのが、フォーミュラ・ニッポンとの共演の影響で、いつもより路面のμが低いということだ。フォーミュラ・ニッポンのタイヤラバーが路面につく影響とマシンの下部にある木製のスキッドブロックのおがくずがライダーたちを惑わせている。 タイム的にトップ5が抜きん出ており、この中からウイナーが生まれるのは間違いない。レースのカギを握る秋吉が、どうレースメイクをするのか? そのラップタイムによって、ふるいにかけられることになるはず。15周の決勝レース、最終ラップの最終コーナーをトップで駆け下りてくるのは誰だ!?
ポールポジション/#1 秋吉 耕佑 F.C.C.TSR Honda 『JSBでは事前テストのない中でのレースとなりましたが、昨年の最終戦でのデータがあったので、大きな問題はありませんでした。自分の中では目標タイムはレコード(6秒488)の更新だったんですが、Q1、Q2とアタックしてきた中で届かないと思い、Q3ではとことん攻めるのではなくアベレージで7秒台を想定して走りました。タイヤはずっとユーズドでタイムを出したので、タイムは意識せずにマシンのセットアップをじっくり進める、といった感じでした。決勝レースは7秒台になると思いますが、決勝朝のウォームアップで最後の確認をして臨みたいと思います』