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AUTO POLIS SUPERBIKE RACE


SB

文部科学大臣杯 2004年 MFJ R2-1 全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦 筑波大会
主催:筑波サーキット(2.070Km)
天候:曇 コース状況:ドライ
決勝レポート
DATE:2004-05-16
■開催日/予選:5月15日(土)、決勝:5月16日(日)  ■天候/予選:晴 決勝:曇り
■開催場所/茨城県・筑波サーキット(2.070Km) ■観客数/11,300人

中冨伸一が劇的な走りでJSB1000初優勝を達成!!

 決勝日は霧雨が降ったり止んだりする難しいコンディションとなり、タイヤチョイスが重要なカギを握るレースとなった。

 JSB1000クラスは、霧雨の降る中レースはスタート。セカンドグリッドからスタートした井筒仁康がホールショットを奪い、大崎誠之、渡辺篤、北川圭一、民辻啓、山口辰也、小西良輝と続く。レース序盤は完全にウエットコンディション。トップ争いは2周目に渡辺が井筒をかわすと、そのままペースを上げ引き離しにかかる。3位には北川と大崎をかわした民辻が上がってくる。8周目にはトップを走る渡辺の前に早くもバックマーカーが現れる。渡辺は井筒を約3秒ほど引き離していたが、路面が乾くにつれペースを上げられない。そんな渡辺の背後に井筒が迫ると17周目の1コーナーで井筒が渡辺のインにマシンをすべり込ませトップを奪う。井筒はトップに立つと渡辺を引き離し独走体制を気付いていく。だれもが、このまま井筒が今シーズン初優勝を飾るかと思っていた。その後方では4位を走行していた小西が、レース後半にペースを上げ、23周目の民辻を、28周目の1コーナーで渡辺をかわして2位に浮上。そしてレースは終盤を迎えるとレコードライン上は、ほぼドライコンディションになってくる。

 この日、ほとんどのライダーはレインタイヤをチョイスしていたが、中冨伸一は前後ともスリックタイヤをチョイス。同じく伊藤真一はリアにスリック、フロントにカットスリック、柳川明は前後ともカットスリックをチョイスしレースに臨んでいた。レインタイヤを履くライダーたちがホイールスピンに悩まされる中、別次元の走りで追い上げてくる。中でも柳川、伊藤は序盤に周回遅れになるほど遅れを取ったが、中冨はトップと同一周回でしのいでいた。中冨はトップを走る井筒より1周に約3秒も早いペースで周回を重ね、最終ラップに背後に迫ると、第2ヘアピンで井筒をパス。そのままゴールラインをトップで通過し、JSB1000初優勝を劇的な勝利で飾った。井筒は最後の最後に抜かれて2位。3位に小西が入り、渡辺、柳川、新垣敏之、民辻、山口、伊藤の順でチェッカーフラッグを受けている。

[佐藤 寿宏]
●ライダーのコメント

優勝/中冨伸一
ボクはレインタイヤでいきたいと言っていたんですけど、チームとしてはレース前半は我慢して、路面が乾いてくる後半に追い上げられると踏んでスリックタイヤをチョイスしました。スタート直後はまったくペースを上げられない状況で、次々に抜かれていった。15周目ぐらいからは、マシンをちょっとバンクさせてみるとグリップしていたので、そこからは、できるだけ速く走っていった。徐々に、自分を抜いていった人たちが前に現れては抜いていき、サインボードも見る余裕がなく周回を重ねていた。ニューマシンになって早く成績を残したかったので、この優勝はすごくうれしい。でも不思議な感じもしますね。

2位/井筒仁康
ランキング争いを考えたときに、ボクにはバクチはできなかった。周りを見て、ランキング上位のライダーはレインタイヤを選んでいたからね。中冨選手、柳川選手、伊藤選手がスリックを選んでいたのは分かっていた。最初は渡辺選手に離されていったけど、路面が乾いてくると渡辺選手のペースが落ちて、前に出ることにした。そこからは自分のペースで周回を重ねた。最終ラップに中冨選手に抜かれたときは、もう次元の違う走りだったし、どうしようもできなかった。開発してきたCBRで自分も勝ちたかったし、今シーズンはCBR全勝を狙っていたので残念ですね。

3位/小西良輝
タイヤは周りのライダーが選んでいる状況を見てでレインに決めました。途中、山口選手を抜くのに時間がかかった。前を走る井筒選手と渡辺選手が徐々に近づいてきていたから、追いつくのに必死だった。そうしたら、ラップした伊藤選手にすごい勢いで抜かれた。その後、中冨選手にも抜かれたので3位かな? と思っていた。緒戦の鈴鹿、前回のオートポリスもかみ合わない状態だったので、今回は成績を残したかった。雨だったし無難にJSB1000初表彰台を獲得できてよかった。


 

スタートでは#4井筒仁康がホールショット。しかし、レース序盤は#2渡辺篤を先頭に、井筒、#10大崎誠之、#1北川圭一らが続く。
しかし、レースが進むに連れて路面が乾き始め、タイヤ選択で順位は大きく入れ替わった。

     
 

前後スリックを選んだ#6中冨伸一は、レース序盤大きく順位を落としていたが、ライン上が乾いてきたレース終盤、ファステストラップを叩き出しながら周回、終わってみれば優勝という結果となった。

     
  優勝中冨伸一(中央)、2位井筒仁康、3位小西良輝。
Photo by H.Wakita(c)
 
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