予選A組は、予選1回目が金曜日に降った雨の影響によりハーフウェットの状況下で行われたため、予選2回目が事実上の1回勝負となった。A組のトップタイムをマークしたのは、終盤に2分01秒006をマークした前戦筑波ラウンドの覇者、小山知良だ。小山はこのレースから新たにホワイトパワー製のサスペンションを投入しており、その仕様での事前テストがない状態でこのタイムを出したのは見事というべきだ。小山は最後のタイムアタック中にハイサイドを起こしかけて失速しており、それがなければさらにタイムを上げていた可能性が高い。昨年ランキング2位の井手敏男も小山の背後につけてタイムアップを果たし、最終的にA組2番手につけている。
予選B組では、午前中のセッションからトップタイムをマークしていた葛原稔永が、午後も周回ごとにタイムを伸ばし、最後に2分00秒772をたたき出してポールポジションを獲得している。ベテランの菊池寛幸も2分01秒076と最後にキッチリとまとめてきた。4度のタイトル経験者、仲城英幸はタイムが伸び悩んだが、それでも決勝ではキャリアを生かし、上位グループに加わってくるだろう。
気になる決勝レースの展開は、ドライの条件下で行われる限り、予選で唯一、2分01秒フラットをコンスタントにマークしていた葛原稔永が逃げる可能性が高い。対する小山、菊池らの予選タイムは一発出しの感が強く、自ら「絶好調です」とアピールする葛原に対し、ライバル勢がどのように食い下がるかがポイントになる。また、このレースで全日本デビューを果たす16歳の高橋江紀が予選総合6番手につけており、ベテラン揃いの全日本勢を相手に、決勝でどこまで上位に食い込めるかも注目だ。
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