3月に開幕した全日本選手権も、このもてぎ大会で4戦目、前半戦が終了し、このあと3カ月後の9月初旬まで長い夏休みとなる。5月末に行なわれた鈴鹿300km耐久、そして7月末の鈴鹿8時間耐久レースが全日本のシリーズとは別の開催であるため、全日本としては今回がちょうどシーズンの折り返しだ。
ここまで3戦のうち山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)が2勝、中冨伸一(YSP&PRESTOレーシング)が1勝し、山口が48点でランキングトップに立っている。山口に続いて43点で井筒仁康(チーム桜井ホンダ)が2位につけ、ポイント争いはまだまだ行方が分からない。
梅雨入り宣言がなされてから2週間、前戦の筑波大会同様、不安定な天候が懸念されていたが、午前6時に前夜からの雨がやみ、予選1回目が開始される10時50分には、天候も回復、コースはドライとなった。予選1回目、昨年のST600チャンピオン、小西良輝(Team
HARC-PRO)が終了間際に1分52秒878のコースレコードをマーク、2位に井筒、3位に山口がつけ、この3人がコースレコードを更新した。
今回、JSBクラスはGP125、ST600に続く3番目のスケジュールで、午後4時から予選2回目がスタートした。心配された雨は一滴も落ちなかったため、激しいタイムアタックが期待される中、予選、決勝を通じて3セットしかタイヤを使えないので、各車とも最後にベストタイムを出せるようにセッティングを詰めていく。まず戦いの火蓋を切ったのは、1回目の予選でトップタイムをマークした小西だった。予選時間残り5分、小西は自身が出したコースレコードをさらに上回る1分52秒153でトップに立つ。その直後、ピットアウトしたばかりの渡辺篤(ヨシムラスズキジョモスリクソン)が1分52秒732で2番手につける。残り2分、予選1回目5位の伊藤真一(DDBOYS
Racing)と山口が渡辺のタイムを上回り、2位伊藤、3位に山口の名前がリーダーボードに並んだ。ところが最後の1周、井筒が1分52秒519をたたき出し、小西のタイムには及ばなかったものの2番手に浮上。そして渡辺が、チェッカーの直前にコントロールラインを通過し、最後のタイムアタックに入った。しかし残念ながら渡辺は自身のタイムを更新出来なかった。
結局ポールポジションは、このクラスで初めて小西が獲得。2位井筒、3位伊藤、4位山口とホンダ勢がフロントロウを独占。5番手に渡辺、ヤマハに乗る大崎誠之(SP忠男レーシングチーム)が6位につけた。ディフェンディングチャンピオンの北川圭一(ケンツMOTULスズキ)は7番手で、ここまでがコースレコードを上回るタイムを出した。北川の後ろ中冨までの8人が1秒の間にひしめく激戦は、決勝レースの激しさを予感させる。
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