このレースウィークで一番、気温が上がった決勝日。1コーナーをトップでクリアしたのは、ST600で優勝を飾ったばかりの辻村猛。中冨伸一、柳川明、山口辰也、亀谷長純、松戸直樹と続き、ポールポジションからスタートした伊藤真一は7番手とやや出遅れる。オープニングラップの1コーナーでは渡辺篤、出口修、森脇尚護が転倒する多重クラッシュが発生。3人ともリタイアする結果となってしまう。
1コーナーの波乱を尻目にトップグループは辻村を先頭に、中冨、柳川、山口、伊藤が形成。セカンドグループは亀谷、松戸、中須賀克行、今野由寛の争いとなる。開幕3連勝を狙う伊藤は、7周目に山口を、10周目に柳川をかわして3番手に上がると、そのままトップを追うかと思われた。しかし、伊藤は11周目の第1ヘアピンでキルスイッチに触れてしまい失速。ポジションを5番手まで下げてしまう。続く12周目の1コーナーで、中冨は狙いすましたように辻村からトップを奪う。13周目に辻村が再び前に出るが、15周目の1コーナーで中冨が抜き返す。伊藤も再びペースアップし、柳川をかわして4位に上がる。
このころから柳川のペースが上がらず、トップ争いから脱落。中冨を先頭に、辻村、山口、伊藤が追う展開となる。中冨は56秒台にペースアップすると、やや2位以下を引き離す。中冨についていけない辻村の背後には、山口をかわした伊藤が迫る。バックマーカーも多く、辻村はペースが上げらずに伊藤、山口にかわされてしまう。バックマーカーを縫うように必死に逃げる中冨。それを追う伊藤と山口。27周目に中冨が周回遅れに引っかかり、中冨と伊藤の差は一気に詰まりテールtoノーズとなる。やや後方に山口がつけるが、最終的なトップ争いは中冨と伊藤の戦いとなる。
トップを走る中冨は、伊藤の追い上げを押さえきり、うれしい今季初優勝を飾った。伊藤はマシントラブルを抱えながら2位でゴール。山口が3位となり、辻村、柳川、松戸、中須賀、亀谷と続き、それぞれ単独でチェッカーを受けている。今回が今季最初のレースとなった小西良輝は、しぶとく追い上げ9位でゴールしている。
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