2005年シーズンは残り2レースとなり、チャンピオン争いが大詰めを迎えている。前半戦をポイントリーダーで折り返した菊池寛幸は、前戦鈴鹿で勝利をもぎ取ったことで、このレースで2位以内に入れば初めてのチャンピオンが決まる。目下2連勝中で、さらに京都を地盤とする菊池にとって岡山はホームサーキットとも言うべき得意中の得意なコースだけに有利な条件は揃っている。しかし大一番を前にした菊池の表情は固く、少なからずプレッシャーを抱えていることが見て取れた。
菊池以外にチャンピオンの可能性を残しているのは井手敏男、濱本裕基、柚木伸介、仲城英幸、竹内吉弘で、少なくともここでのタイトル決定を阻止し、チャンピオン争いを最終戦まで引っ張りたいというのが彼ら共通の考えだ。その筆頭の井手はオートポリスで菊池を下しており、Feels
&テック2にとっても岡山はホームコースでデータは豊富だ。さらに今季2度の表彰台に立ち、前戦もトップ争いを繰り広げた20歳の濱本も「ドライなら自信がある」とベテラン勢の追い落としを狙う。
土曜の予選は、あいにく午前中の1回目から雨の中で行われた。午後の2回目はさらに雨足が強まったため、1回目のタイムでほぼ予選順位が決定している。ポールポジションを獲得したのはディフェンディングチャンピオンの仲城で、菊池は2番手。仲城と同じJhaのトップエンド仕様RS125Rを手にした好調の葛原大陽が続き、森新までがフロントローに並ぶ。
決勝日は晴れと見込まれているが、ドライでも前述のトップライダーたちが先頭集団を形成するだろう。菊池はベテランらしく周囲の状況を考えながらレースを運ぶはずだ。しかし路面状況次第では、このコースを知り尽くしている地元ライダーが優位に立つ可能性もある。その意味で予選6位につけた岡山出身の若手、花房一樹にも注目したい。
|