他の3クラスより1戦多い、全8戦で戦われているJSBクラスは、岡山国際サーキットでの第7戦、そして最終戦のツインリンクもてぎで、今シーズンは終了となる。ここまでの6戦、伊藤真一(ホンダドリームRT)が4勝をマーク、2位1回、4位1回というすばらしい成績でぶっちぎりのランキングトップ。トータルポイント110点で、2位の辻村猛(F.C.C.TSR)を28点も引き離している。この岡山大会でタイトルが決まる可能性もある。その辻村は、2位1回、3位2回など全戦でポイントを獲得する安定したシーズンとなっている。続いて山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)で、上位をホンダ勢が占めている。
このホンダ勢に対し、ヤマハのエース、中冨伸一(YSP&PRESTOレーシング)は今シーズン、2回の優勝を経験するものの、転倒やコースアウトなど結果が残らないレースもあり、ランキングは5位。タイトル争いには絡めないが、その分、思い切ったレース展開が期待される。カワサキのディーラーチーム、チームグリーンの柳川明は現在ランキング4位。2回の2位入賞が示すように、いつでも表彰台の頂点に立つ可能性は持っている。スズキは、渡辺篤(ヨシムラスズキジョモスリクソン)を中心に参戦を続けているが、前戦の鈴鹿で新たな刺客が送り込まれた。長い間、スズキファクトリーマシンの開発を手がけてきた秋吉耕佑(ヨシムラスズキジョモスリクソン)だ。7年ぶりの全日本参戦ながらいきなりのポールポジション獲得、決勝ではマシントラブルを抱えながらも8位入賞、実力の片鱗を見せつけた。その秋吉がこの岡山国際にも出場する。
日本列島を大きく覆った雨雲が前夜から中国地方にたれ込め、予選日は朝から雨模様。午前と午後の2回で行なわれた予選は、どちらもウェット路面での走行となった。予選1回目、あっさりとトップタイムをマークしたのは秋吉だった。1分42秒700。どのライダーもなかなかタイムを縮めることができないでいる中、秋吉はわずか5周の走行でこのタイムをマークした。最終ラップに、多くのライダーがベストラップをマークしたが、秋吉のタイムを破るライダーは現れず、2番手に小西良輝(プレクサス&HARC-PRO.)、亀谷長純(チーム桜井ホンダ)と続いた。午後からの予選2回目では雨足が強くなり、体調の思わしくない秋吉は走行を見送った。土砂降りの雨の中、小西と亀谷、それに松戸直樹(モリワキMOTULタイガーレーシング)が積極的に走行を続け、この回の上位タイムをマークするが、3人とも1回目の自身のタイムを超えることはできず、予選上位20位までは1回目の予選タイムでグリッドが決まった。秋吉が2戦続けてのポールポジション獲得となった。
皮肉にも、決勝日の天気予報は晴れ、土曜日のリザルトはほぼご破算になってしまう。これもまたロードレースだ。金曜日もドライ走行が短かったため、決勝の予想をするには条件が少なすぎる。一発勝負の第7戦岡山大会になる。
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