予選2番手の沼田憲保がホールショットを決めたスタート直後に2コーナーでクラッシュが発生。その際にコース上にマシンとライダーが取り残されたため赤旗中断となりレースは仕切り直しとなった。
約25分のインターバルをおいてレースは再開。ここでホールショットをきめたのはポールポジションスタートの高橋英倫。クラッシュもなく順調にスタートが切られた思われた直後、今度はバックストレート後のヘアピンの進入で4台が転倒、3台がコースアウトという多重クラッシュが発生してしまう。幸いコース上に転倒車が残ることはなくレースは続行されたが、その中には前戦で優勝した酒井大作や宮崎敦といったトップライダーが巻き込まれていた。
波乱の幕開けとなった1周目、トップで戻ってきたのは高橋。以下、沼田、手島雄介、奥野正雄、辻村猛、東浦正周、鶴田竜二、大崎誠之、小林龍太、石川朋之らが続いた。2周目の1コーナーで沼田が高橋を抜いてトップへと浮上。この時点で、沼田、高橋、手島、奥野、辻村の5台がトップグループを形成し、3周に手島がトップへと浮上する。以下、奥野、高橋、沼田、辻村の順でコントロールラインを通過していった。
4周目以降、トップを走る手島は少しずつ後続との差を広げ始める。6周目にはペースの上がらない奥野を辻村がパスし、F.C.C.TSRが1-2を独占。上位陣は1分35秒台のペースで周回を重ねていたが、トップを走る手島が2番手を走るチームメイトの辻村を引き離しにかかり、レースの折り返し地点となる9周が終了した時点で、約1秒のアドバンテージを築き上げていた。
ポイントランキングトップの安田毅史は予選27番手からスタートし、8周終了時点で6番手までポジションを挽回。大崎、鶴田、寺本らと集団を形成し、少しでもチャンピオン争いを有利に進めるべく、一つでも前のポジションを狙っていた。
レース中盤以降、ほとんどのライダーが1分35秒台後半から36秒台でタイムで周回を重ねる中、手島だけが1分35秒台前半をキープ。この僅かな差を1周ごとに着実に広げていった手島は、独走でチェッカーフラッグを受け、今シーズン2勝目をマーク。辻村が2位でゴールし、3位には奥野が入り、久しぶりに表彰台に上がった。4位に沼田、5位に高橋が入賞した。安田は終盤に寺本との6位争いを繰り広げていたが、ラストラップに逆転され7位でゴールとなった。
ポイントランキングでは安田が88ポイントで首位をキープ。続いて手島が5ポイント差の83ポイントで2番手に、辻村が79ポイントで3番手につけた。白熱するシリーズチャンピオン争いは、ツインリンクもてぎで開催される最終戦へと持ち越されることになった。
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