およそ半年間の沈黙を破り、いよいよMFJ全日本ロードレース選手権、2006年シーズンがスタートした。昨年チャンピオンの青山周平がGPへ巣立ち、今年もゼッケン1不在となったが、その穴を埋めるだけの実力者が転向組として顔を揃えた。その中には「日本GPにワイルドカード参戦するために転向した」というGP経験者の宇井陽一や、元全日本チャンピオンの秋田貴志ら百戦錬磨のベテラン、さらに20歳の濱本結基、18歳の小林龍太、16歳の山崎郡、14歳の伊藤勇樹と若手有望株が加わる。彼ら新規参入組を「GPやJSBを希望したが、どちらも実現できないことがわかってGP250でタイトルを狙う道を選んだ」という28歳にしてベテランの横江竜司に、18歳の高橋江紀とラタパー・ウィライロー、16歳の高橋巧ら伸び盛りの若手が迎え撃つ。
土曜の予選は好天に恵まれ、横江が2位以下を1.4秒引き離すタイムをマークしてライバルを圧倒、及川誠人、高橋巧が続き、宇井がフロントローを獲得して実力を証明した。小林が若手ルーキー最上位の5番手として続き、一方で「2006年型のバイクに試行錯誤している」という高橋江紀は7番手に留まった。全日本ルーキーの山崎は3列目のトップに並ぶ。なお昨年のGP125でトップを争った濱本はパーツ不足も影響して19位に沈み、金曜の練習走行までノーマル車ながら健闘していた最年少の伊藤は、ビクトリーコーナーで転倒して大腿骨を負傷し、決勝への出走は絶望的となった。
練習走行から予選を通じて横江のタイムが抜け出ていることから、決勝は横江が序盤から逃げる展開が予想される。しかし、あいにく日曜は天気の行方が危ぶまれており、もし雨となればウェットを得意とする江紀がデビューウィンを果たした昨年の開幕戦を再現する可能性もある。いずれにせよ、開幕戦が今シーズンの勢力図を紐解くために見逃せないレースとなることは間違いないだろう。。
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