2006年の全日本選手権はここ岡山国際サーキットでのレースを含めて残り2戦となったが、最大の焦点は開幕から負け知らずの4連勝を遂げ、チャンピオン獲得を目前としている横江竜司のレースだ。横江が岡山で5勝目を挙げてもライバルの成績次第ではタイトル確定が最終戦に持ち越されるが、圧倒的に優勢な立場であることは間違いない。
横江は「バイクから降りている時は『転ばないよう確実に走らなきゃ』と考えてしまいますが、走り出せばそういうことはなくなります。まだ残り2戦ありますし、プレッシャーも感じていません」と語り、その表情には余裕が感じられる。そして横江は予選終盤のアタックで、驚異的なバンク角が生み出すコーナーリングスピードを武器に、2位以下を0.6秒上回るラップタイムをマークしてポールポジションを獲得した。
対するライバル勢は「横江を止めないと」と声を合わせる。予選2番手となったラタパー・ヴィライローは「今回は思っていたよりタイムが出ない。でも横江さんに勝ちたい」と横江の全勝阻止を狙う。3番手の及川誠人も「フロントのチャタリングが消せない。でも1回くらいは横江を止めないと」と志は同じだ。4番手はダンロップ最上位の宇井陽一で「予選では1発狙いではなく、コンスタントにタイムが出るようにバイクを仕上げました。残り2戦でダンロップさんに今期初優勝をプレゼントしたい」と鼻息は荒い。予選5〜6位の若き2人のルーキー、濱本裕基と山崎郡はホームコースの岡山で真の実力を発揮し出しており、決勝では台風の目となる可能性もある。
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