3番手グリッドからスタートした宇井陽一がホールショットを奪い、ラタパー・ヴィライロー、小林龍太、高橋江紀、及川誠人、横江竜司と続いていく。横江に一矢を報いたいラタパーは、S字で宇井をかわしてトップに立つと積極的なライディングでレースをリードしていく。横江は、クラッチにやや問題を抱えていたため、スタートで出遅れるが、落ち着いてポジションを回復し、オープニングラップで3番手に浮上する。ラタパー、宇井、横江と等間隔で続いていたが、4周目に横江は、宇井を射程に捕らえると逆バンクで2番手に上がると、2分12秒台にペースアップ。ラタパーとの差を詰めると、7周目のデグナーカーブで前に出る。ラタパーもすかさずヘアピン手前で抜き返しトップを死守。8周目のシケインでは、再び横江が前に出るが、ラタパーもピタリと横江のテールをマーク。12周目のホームストレートで横江をパスすると、自己ベストをマークする走りで横江を引き離しにかかる。
後方では、宇井が単独走行で3番手、4位争いは、混戦だったが、5周目に及川が転倒、10周目には秋田貴志がマシントラブルで戦線を離脱。山崎郡、後方から追い上げてきた高橋巧、濱本裕基、秋谷守などがバトルを繰り広げていた。
レース終盤を迎え、ラタパーと横江のトップ争いのペースは上がる一方。横江は、ラスト2周となる16周目に、このレースのファステストラップとなる2分12秒033をマーク、シケインでラタパーをかわしてトップに立つと、そのままラストラップに突入する。ストレートで横江を圧倒するラタパーは、バックストレートでいとも簡単に前に出るが、横江もピタリとラタパーをマーク。シケインへのブレーキングで前に出て、そのままトップでチェッカー。6戦連続ポールポジションから、6戦全勝を飾る快挙を成し遂げ、全日本チャンピオンに輝いた。ラタパーは、今回も悔しい2位、3位に宇井が入り、2戦連続表彰台でシーズンを締めくくった。4位に、激しい追い上げを見せた高橋巧が入り、以下、山崎、秋谷、泉本真宏、櫻井大幸、伊藤勇樹、濱本の順でチェッカーフラッグを受けた。
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