2006年シーズンの全日本選手権は、ここ鈴鹿サーキットで最終戦を迎えた。ここまで5戦全勝と圧倒的な強さを見せている横江竜司だが、暫定ランキング2位のラタパー・ヴィライローも好成績を収めてきたため、タイトル決定は最終戦まで持ち込まれた。ただし横江とヴィライローのポイント差は17で、通常より3ポイント多く加算される最終戦で横江が13位以上ならばチャンピオンを獲得できることを考えれば、横江のタイトル獲得は堅いと言える。横江は「いつも通りに勝ちを狙っていきます」と最終戦に臨む意気込みを語りながら「ラタパーも宇井さんも速くなっているので、気を抜けない」と気を引き締めた。そして場合によってはタイトルを考えたレース運びをするのかという問いに「正直、それが一番大事です」と述べている。一方、横江のタイトル獲得を阻止できる唯一の存在であるヴィライローは「調子いいです。今度こそ優勝します」と表情は明るい。さらに他のライバル勢も横江の全勝だけは止めようと狙っている。
予選では終盤にスリリングなタイムアタック合戦が展開され、上位につけていたライダーたちが次々とベストラップを更新した。そして横江は最後に2分11秒894というレコードタイムをマークし、文句なしのポールポジションを獲得した。2番手には今回もヴィライローがつけ、3番手は「乗る度にタイムが上がっている」という宇井陽一。フロントローの最後は若手期待の高橋
巧だ。
鈴鹿は長いストレートや高速、低速コーナーとコースレイアウトがバラエティに富み、真に速いライダーだけが勝つことを許されるサーキットだ。今回も横江がワンサイドゲームで全勝チャンピオンを達成するのか、それともライバルが一矢報いるのか、最終戦は注目の一戦だ。。
|