最終戦決戦となったST600クラスのタイトル争い。JSB1000クラスとダブルエントリーしている渡辺篤が暫定ランキングトップにつけ、5ポイント差でディフェンディングチャンピオンの安田毅史が追っている。大崎誠之が12ポイント差、酒井大作が16ポイント差で続いているが、事実上、タイトル争いは、渡辺と安田の一騎打ちと言えるだろう。
逆転タイトルを狙う安田は、事前テストから2分14秒台をマークする好調ぶりを見せ、公式予選では、コースレコードを大幅に更新する2分14秒170をマーク。これは本人も予想以上のタイムだったと言う。一方、渡辺は、2分15秒121と、2分14秒台には入れられなかったものの、ベストタイムを出した周はクリアラップではなかったと言う。クリアラップが取れていれば2分14秒台に入っていたはず。決して渡辺の調子が悪いわけではないが、鈴鹿での安田の速さは目を見張るものがある。ただアベレージでは14秒台で周回できるとは思えない。安田自身も「逃げられるとは思っていない。序盤は様子を見て終盤で勝負できればいい」とコメント。レースをコントロールし、渡辺との間に他のライダーを入れてゴールするのが安田の理想だろう。渡辺は、2位に入ればいい状況だが「守りに入ったら絶対に(チャンピオンは)獲れない」と気合いを入れている。ST600のチャンピオンを決めて、JSB1000のレースに臨むのが渡辺の理想だ。
安田と渡辺の間に割り込んできそうなのが酒井大作と辻村猛、そして自己最高グリッドの2番手につけた野田弘樹だろう。
野田は、事前テストから安田と情報を交換しマシンを仕上げてきた。「どこまで頑張れるか分からないけれど、精一杯走る」と安田のタイトル獲得をバックアップする構えだ。奥野正雄、大崎誠之、佐藤裕児のヤマハ勢もトップ争いに絡む可能性は多いにある。泣いても笑っても最終戦、トップ争いの行方と共に、タイトル争いの行方にも注目するべし!
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