事前テストから好調が伝えられていたのは、昨年、ランキング3位となった宇井陽一。チャンピオンの横江竜司がJSB1000クラスに、ランキング2位となったラタパー・ヴィライローが世界に旅立ち、宇井がランク最上位になったことから当然の結果とも言えた。しかし、レースウィークに入ってからトラブルが続き、その解決に時間を費やしたため、宇井は、思ったような走りができなかった。公式予選でやっとトラブルを克服したものの、納得いく走りはできなかったと語る。それでも1分55秒835をマークし、2番手グリッドにつけた。
「ポールを取れなかったのはくやしい。決勝は、巧と祥也といいバトルをしたいね。オレのハートに火がつくような走りをしてほしいね」と宇井。そんな宇井のハートに火をつけそうなのが、ポールポジションを獲得した高橋巧だ。風邪で体調を崩し、金曜は39度の熱を出していた。予選までに熱は下がったものの、咳は止まらなかった。それでも全力のアタックを見せ、自己ベストを大きく更新する1分54秒797をたたき出した。「(風邪は)走りに影響はなかった。スタートを失敗しないようにして勝ちを狙っていきたい。今年の目標は全戦全勝です」と巧。
3番手にはGP125とダブルエントリーしている富沢祥也がつけた。「タイムは単独で出せたので自信がついてきた。決勝は、宇井さん、高橋さんについていきたい」と祥也。4番手の及川誠人は、アタック中に4コーナーで転倒。右足を痛めてしまったが、決勝は奮起したい。濱本裕基、山崎郡という若手も徐々に力をつけており、トップグループに食らいついていきたいところだ。
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