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SUPERBIKE RACE in SUZUKA


JSB1000

文部科学大臣杯 2007年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦 第39回MFJグランプリ SUPERBIKE RACE in 鈴鹿
主催:鈴鹿サーキット(5.821Km)
決勝レポート
DATE:2007-10/21
■開催日/予選:10月20日(土)、決勝:10月21日(日)  ■天候/予選:晴・ドライ 決勝:晴・ドライ
■開催場所/三重県・鈴鹿サーキット(5.821Km) ■観客数/予選:12,000人・決勝:18,000人


清成龍一が貫禄のダブルウイン!
渡辺篤がチャンピオンを決める!!
<レース1>

 2007年シーズン、全日本ロードレース選手権を締めくくるMFJグランプリ、JSB1000クラスは2レース制で行われた。決勝日は朝方から快晴に恵まれ、絶好のレース日和となった。

 第1レースは波乱の幕開けとなった。ウォームアップラップが開始されようとした際、バックストレートに小動物が紛れ込み、スタートがディレイされる。この間、ライダーたちはグリッドで待つことになり、この待ち時間が明暗を分けることになる。ウォームアップラップが開始され、そのアクシデントは起こってしまう。タイヤが冷えていたため、横江竜司が1コーナーで転倒。この転倒に暫定ランキング2番手につけていた山口辰也が巻き込まれてしまい、両者ともグリッドに着くことなくレースはスタートする。山口は胸と首を痛めたため、第2レースにも出場できなかった。

 3番手グリッドから清成龍一がホールショットを奪い、ポールポジションの中須賀克行、2番手グリッドの安田毅史とフロントロウの3名が上位を占め、酒井大作、渡辺篤、秋吉耕佑、柳川明、亀谷長純、大崎誠之と続いていく。清成は、オープニングラップからハイペースで飛ばし、これについていけたのは中須賀のみ。3番手の安田がやや離され、そのテールを酒井がマークする。

 清成と中須賀のトップ争いは、2分8秒台というハイペースで繰り広げられていたがレース中盤になると2分9秒台にペースが下がってくる。これに後方から安田が2分8秒台で接近し、酒井は、このペースについていけず単独走行となっていく。8周目に安田は、中須賀のテールを捕らえ、三つ巴のトップ争いとなる。これを観た清成は再びペースを上げ9周目に、このレースのファステストラップとなる2分8秒349をマークし、2番手以下を引き離しにかかる。中須賀、安田も2分8秒台にペースを上げるが、ジリジリとその差は広がり、清成が前に出て行く。清成を追いたい安田は、12周目の130Rで中須賀をかわし2番手に上がるが、中須賀も14周目のダンロップコーナーでアウトから並びかけ抜き返す。安田もすぐにヘアピンで中須賀のインを突き前に出ていく。激しい2位争いを尻目に、清成は安定した走りを見せトップでチェッカー。ブリティッシュスーパーバイク(BSB)2連覇を達成した実力を見せつけ表彰台の中央に立った。2位争いは、安田が0.028秒という僅差で制し、中須賀が3位となった。以下、酒井、亀谷長純、渡辺篤、伊藤真一、辻村猛、森脇尚護、大崎誠之と続いている。

<レース2>

 第2レースでも波乱があった。ウォームアップラップが終わり、スタートしようとした際、7番手グリッドの秋吉のマシンにトラブルが発生。秋吉は、そのままリタイアとなり、ウォームアップラップが仕切り直しとなる。このためレースは、1周減算の14周で争われることになった。

 またも清成が好スタートを見せトップに立つ。これに中須賀、安田、酒井、渡辺、亀谷と続いていく。オープニングラップから積極的に攻める清成は、2番手を引き離してホームストレートを通過。2周目には、このレースのファステストラップとなる2分7秒755という圧巻のタイムを記録。これを中須賀をかわした安田が追うが、その差は、ジリジリと広がっていき、清成が独走態勢に持ち込む。安田も単独走行となっていき、中須賀はペースが上がらず、7周目に酒井に、10周目に亀谷にかわされ5番手に落ちる苦しいレース展開となってしまう。

 清成はハイペースで走りきり独走優勝。ダブルウインを達成し、その実力を見せつけた。安田が2位に入り、ランキングでも2位、酒井が3位に入り、ランキングでも3位となった。亀谷は4位、中須賀は5位でゴール。

 後方では、レース中盤から大崎を先頭に徳留和樹、渡辺、伊藤真一、柳川が6位争いを繰り広げていた。柳川は、ジャンプスタートのペナルティを受けたが、そのまま走行を続けたためブラックフラッグが提示され失格となってしまう。後方から追い上げてきた伊藤が、一台、また一台と順位を上げ、最終ラップのデグナーカーブで徳留をかわして6位争いを制した。渡辺は9位でゴールし、シリーズチャンピオンを決めた。

[佐藤 寿宏]
●ライダーのコメント

第1レース 優勝/清成龍一
『久しぶりの全日本なので楽しみにしていたら、予選では逆に緊張してしまいガチガチになっていた。金曜日が雨だったので土曜日だけしかセットアップする時間がなかったけれど、ミシュランさんも短時間でタイヤを決めてくれたのがよかった。朝のウォームアップでは8秒台で走れていたので、決勝も(8秒台で)走れると思っていたのに、安定して走れなかったのは残念だった。2レース制はBSBで慣れているので、もっといいペースで走りたい』

第1レース 2位/安田毅史
『予想通りレース序盤のペースが上がらなかったのが残念。中須賀選手とは厳しいバトルだったけれど、何とか2位でゴールできてラッキーだった。作戦は全くなく抜けるときに抜くという感じだったしね。第2レースも同じような展開になると思うけれど、もっとトップ争いに絡むレースがしたいですね』

第1レース 3位/中須賀克行
『予選から清成くんと安田さんとボクの3人がアベレージスピードがよかったし、ヨシムラの2台も速かった。トップ争いは、できれば少ない台数がよかったので3台で逃げたかった。予想通り清成くんが前に出たので、後ろにつけてタイヤを温存していたけれど、思ったよりもタイヤを使ってしまい安田さんに抜かれてしまった。第2レースは、もっと積極的にいきたい』


第2レース 優勝/清成龍一
『第2レースは最終ラップ以外は、うまく走れたかな。実は、周回数を間違えていて、もう一周あるかと思っていたらチェッカーだった。ブリティッシュスーパーバイクでは、納得できるレースが一度もできなかったけれど、今回のレースと鈴鹿300kmは、いいレースができた。今のCBR1000RRでの最後のレースを優勝で飾れたのもよかった。久しぶりに全日本に出たけれど常にトップを狙って走っていたけれど簡単にはいかなかった。また来年もスポットで出たいですね』

第2レース 2位/安田毅史
『第2レースの方が、いいペースで走れたかもしれないけれど第1レースの方が調子はよかった。(清成に)ついていけたのは、2、3周だけだったし、ミスもあったので離されてしまったので悔しい。ランキング2位という成績は、HRC、ブリヂストン、スポンサーの方々やチームのおかげなので、感謝したいですね』

第2レース 3位/酒井大作
『スタート直後は、また3台(清成、安田、中須賀)が速かった。ランキング上でも争っている安田さんの前でゴールしたかったので、ペースが下がってきた中須賀くんをかわして、安田さんを追いかけたけれど、ほとんど同じペースだった。精一杯やれたと思うので、今回は3位でよかった。チームやスズキ、サポートしてくれたすべての人たちのおかげです』

シリーズチャンピオン/渡辺篤
『マシンやタイヤは全く問題なく、人間に問題があった。朝のウォームアップまでは大丈夫だったのに、レースになったら固くなってしまった。こんなレースは初めて。ヨシムラで、みんなで力を合わせてやってきた5年間の思い出が走りながら頭をよぎったりしたので、トップ争いができなかったのは残念だったけれど、チャンピオンを獲れてよかった』


  第1レーススタート
     
  #72清成の走り
     
  第1レース表彰台
     
  第2レースでタイトル獲得のプレッシャーの中で走る#76渡辺
     
  第2レースでも圧勝した清成
     
  第2レース表彰台
     
  2007年JSBクラスチャンピオン渡辺篤には文部科学大臣杯が贈呈された。
渡辺は、2002年スーパーバイククラスのチャンピオンでも受賞しており、2度目となる。
     
  全レース後に行われたチャンピオン撮影
(左から)ST600小西良輝、JSB1000渡辺篤、GP250宇井陽一、GP125岩田裕臣、GP-MONO(国際ライセンス)森隆嘉。
     
Photo:H.Wakita/Y.Harada/T.Sato
 
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