2007年シーズン、全日本ロードレース選手権を締めくくるMFJグランプリ、JSB1000クラスは2レース制で行われた。決勝日は朝方から快晴に恵まれ、絶好のレース日和となった。
第1レースは波乱の幕開けとなった。ウォームアップラップが開始されようとした際、バックストレートに小動物が紛れ込み、スタートがディレイされる。この間、ライダーたちはグリッドで待つことになり、この待ち時間が明暗を分けることになる。ウォームアップラップが開始され、そのアクシデントは起こってしまう。タイヤが冷えていたため、横江竜司が1コーナーで転倒。この転倒に暫定ランキング2番手につけていた山口辰也が巻き込まれてしまい、両者ともグリッドに着くことなくレースはスタートする。山口は胸と首を痛めたため、第2レースにも出場できなかった。
3番手グリッドから清成龍一がホールショットを奪い、ポールポジションの中須賀克行、2番手グリッドの安田毅史とフロントロウの3名が上位を占め、酒井大作、渡辺篤、秋吉耕佑、柳川明、亀谷長純、大崎誠之と続いていく。清成は、オープニングラップからハイペースで飛ばし、これについていけたのは中須賀のみ。3番手の安田がやや離され、そのテールを酒井がマークする。
清成と中須賀のトップ争いは、2分8秒台というハイペースで繰り広げられていたがレース中盤になると2分9秒台にペースが下がってくる。これに後方から安田が2分8秒台で接近し、酒井は、このペースについていけず単独走行となっていく。8周目に安田は、中須賀のテールを捕らえ、三つ巴のトップ争いとなる。これを観た清成は再びペースを上げ9周目に、このレースのファステストラップとなる2分8秒349をマークし、2番手以下を引き離しにかかる。中須賀、安田も2分8秒台にペースを上げるが、ジリジリとその差は広がり、清成が前に出て行く。清成を追いたい安田は、12周目の130Rで中須賀をかわし2番手に上がるが、中須賀も14周目のダンロップコーナーでアウトから並びかけ抜き返す。安田もすぐにヘアピンで中須賀のインを突き前に出ていく。激しい2位争いを尻目に、清成は安定した走りを見せトップでチェッカー。ブリティッシュスーパーバイク(BSB)2連覇を達成した実力を見せつけ表彰台の中央に立った。2位争いは、安田が0.028秒という僅差で制し、中須賀が3位となった。以下、酒井、亀谷長純、渡辺篤、伊藤真一、辻村猛、森脇尚護、大崎誠之と続いている。 |