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SUPERBIKE RACE in okayama


JSB1000

文部科学大臣杯 2008年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦 第40回MFJグランプリ SUPERBIKE RACE in 岡山
主催:岡山国際サーキット(3,703m)
決勝レポート
DATE:2008-10-5
■開催日/予選:10月4日(土)、決勝:10月5日(日)  ■天候/予選:晴・ドライ 決勝:雨・ウエット
■開催場所/岡山県・岡山国際サーキット(3,703m) ■観客数/予選:3,600人・決勝:14,300人

中須賀克行が全日本初王座につく!
レース1は伊藤真一が2年振りに優勝
レース2では酒井大作がJSB初優勝を達成!

 最終戦MFJグランプリは、決勝日の朝から雨が降り始めレインコンディションでのレースとなった。
 15周で争われたレース1は、セカンドグリッドから好スタートを見せた伊藤真一がホールショットを奪い、ポールポジションの秋吉耕佑、酒井大作、柳川明、山口辰也と続き、ポイントリーダーの中須賀克行はやや出遅れ6番手につける。トップを走る伊藤は、積極的にレースをリード。これを秋吉が追うが、伊藤のペースについていけない。伊藤は、2番手以下を大きく引き離し、レース序盤にして独走体制を築いていく。2番手を走る秋吉も単独走行となり、3番手の柳川を先頭に、酒井、山口、中須賀が3位争いの集団となる。第5戦鈴鹿で肩甲骨を骨折していた酒井は、まだ完治しておらず苦しい状況ながら健闘していた。中須賀は、タイヤのグリップを確認すると、徐々にペースアップ。6周目に山口をかわすと、7周目にはアトウッドカーブで酒井をもパス、さらに前をゆく柳川に迫っていくと8周目にかわして3番手に浮上する。

 トップを独走する伊藤は10周を終えた時点で、2番手の秋吉に10秒以上の大差をつける圧倒的な速さを見せつける。秋吉の約4秒後方に中須賀がつけ、柳川、山口が続いていた。その後方につけていた酒井は11周目の1コーナーでコースアウト。さらに山口も13周目の1コーナーでコースアウトし、順位を落としてしまう。逆に5番手に順位を上げた大崎誠之はペースを上げ、柳川の背後に迫る。
 伊藤は危なげない走りでトップのままチェッカー。2006年第6戦岡山以来、2年ぶりの優勝を飾った。秋吉が2位に入り、暫定ランキング2位に浮上。中須賀は3位に入り、この時点で両者の差は17ポイントとなった。4位に柳川、5位に大崎と僅差で続き、手島雄介の代役として登場した岡田忠之は6位でゴールしている。コースアウトした山口は7位、酒井は9位でチェッカーフラッグを受けた。東村伊佐三が8位と健闘した。

 レース2は秋吉が好スタートを見せ、これに酒井が続きヨシムラが1-2フォーメーションを組む。伊藤が3番手につけ、柳川、山口、中須賀、大崎、横江竜司、徳留和樹、安田毅史と続く。秋吉は、レース1の伊藤を思わせる速さでレースをリード。これに酒井も必死についていき、3番手の伊藤をやや引き離す。秋吉はさらにペースを上げると、これに酒井はついていけない。その背後には伊藤が迫り、7周目のヘアピンで酒井をかわして2番手に上がる。この時点で秋吉は、2.5秒前を走っていた。逃げる秋吉、追う伊藤、2人ともベストラップを更新しながらペースを上げる。伊藤は11周目にファステストラップをたたき出し、秋吉を射程に捕らえていく。その後方では、酒井が単独3番手を走り、4位争いを中須賀、柳川、山口、大崎が形成していた。中須賀は柳川にかわされ5番手にポジションダウン。チャンピオンを獲得するためには、5位で十分だったが、その直後にアクシデントが起こる。何と中須賀がアトウッドカーブで転倒、一瞬ピットが凍り付くが、すぐに再スタートした中須賀は8番手でホームストレートに戻ってくる。さらにアクシデントは続く。何とトップ争いを繰り広げていた秋吉と伊藤が13周目のマイクナイトコーナーで、ほぼ同時にクラッシュ。2人ともオイルかガソリンに乗ったとコメントしていた。このアクシデントで酒井がトップに浮上。柳川が2番手、大崎が3番手、山口が4番手、亀谷長純が5番手と、それぞれ単独走行となっていた。その後方に中須賀がつけ6番手を走行。

 トップ独走となった酒井は痛みをこらえながら走行を続け、そのままゴールラインを通過。念願のJSB1000クラス初優勝を達成した。2位に柳川が入り今季初表彰台、3位に大崎が入る結果となった。以下、山口、亀谷と続き、中須賀は6位でゴール、初の全日本チャンピオンを決めた。

[佐藤 寿宏]
 

●ライダーのコメント(Race1)
優勝/#33 伊藤真一 KEIHINKoharaR.T.

朝のウォームアップ走行よりもコンディションが悪かったけれど、スタートでトップに出られたし、視界がクリアだったので自分のペースで走ることができた。第4戦SUGOの雨ではダンロップ勢に前に行かれてしまったので雨を克服すべくブリヂストンのスタッフと頑張った。その結果が今回出せてよかった。もう、いつ優勝したか覚えていないぐらい久しぶり。こんなコンディションなので、何が起きてもおかしくないので、レース2も気を引き締めていくだけです。

2位/#64 秋吉耕佑 ヨシムラスズキwithJOMO
雨量が多くなると思って朝のウォームアップでセットアップしたけれど、うまくタイヤの性能を引き出せなかったですね。自分なりに頑張れたのはよかったですが、難しいコンディションだったので転倒なくレース1を終われたのがうれしいですね。

3位/#21 中須賀克行 YSP&PRESTOレーシング
ウォームアップのセットのままレース1はいったけれど、タイヤの暖まりが悪かった。第4戦SUGOのときはタイヤを理解せずに転倒してしまったので序盤はセーブしていた。徐々にフィーリングがよくなっていったので1台ずつ抜いていった。秋吉さんも見えていたけれど、自分も、そこまで余裕はなかった。レース2も(タイトルは)意識せず自分の走りをしたい。マシンとのフィーリングは合っているのでリズムをつかめれば、もっと速く走れると思う。

 

●ライダーのコメント(Race2)
優勝/#39 酒井大作 ヨシムラスズキwithデンソー

うまくスタートが決まったので秋吉さんに、ついていこうと頑張った。今回は鈴鹿でケガをしてから1回もマシンに乗っていなかった。みんなは事前テストで岡山を走っていたけれどボクは金曜日に1年ぶりに走ったのでドライもウエットも手探り状態だった。レース1を落としてしまったのでセッティングをガラッと変えざるをえない状況だった。その甲斐もあって、タイヤも素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた。ダブルヘアピンの一つめに入ったら黄旗が振られていたので“まさか”と思った。秋吉さんと伊藤さんが転んだのが分かるまで半分パニックになっていた。昨日も一昨日も速いライバルがいたし、その前にケガに勝たなきゃいけなかった。出場するか迷ったけれど最後まであきらめないでベストを尽くそう思った。スタッフの強力とファンの声援が力になりました。本当にありがとうございました。

2位/#87 柳川明 TEAM GREEN
いつ表彰台に立ったか分からないぐらい久しぶりですね。今年はマシンとサスペンションが変わって、スタッフも入れ替わったし変化が多かったシーズン。みんな一生懸命やってくれているけれど成績出ないとイライラして、スタッフにあたったこともあった。自分を奮い立たせることに集中して頑張った結果。タナボタだけれど棚の下にいないと、この成績はないので、2位という結果を素直に喜ぼうと思う。表彰台に立てるバイクを持たせたくれたことをチームに感謝しています。

3位/#75 大崎 誠之 SP忠男レーシングチーム
雨は事前テストでけっこう乗っているから大丈夫だろうと思っていたら、朝のウォームアップを走ったら全くダメだった。“これはやばい”となっていたら、ヤマハの指導者からカツを入れられた。ノックアウト方式の予選中にメインマシンにトラブルが出てしまい、スペアマシンでいったけれど、メインマシンの方がフィーリングがよかった。メカニックが夜中まで作業して直してくれたので、5位と3位という結果を残せてホッとしている。ランキング2位という結果はたまたまですが、カツ(中須賀)がチャンピオンを獲れてよかった。

 

シリーズチャンピオン/中須賀克行 YSP&PRESTOレーシング
レース2は、このポジションでいいという甘えがあったのが転倒につながったと反省しています。転倒したときは動揺というか、頭の中が真っ白になった。けっこうスピードが出ていて転倒して、そのままグラベルまですべっていった。マシンを見たら右側のステップが折れただけだったので再スタートした。集中するのが難しかったけれど“今年何のために、ここまでやってきたのか”とか“チームの想いやヤマハの看板を背負って走っていること”など様々な想いが浮かんだ。再スタート後の7周はシーズンで一番集中して走ったんじゃないかな。シーズンオフから自分を追い込んで、追い込めた自分がいたのでチャンピオンを獲れたと思う。レース数は少ないけれど、内容の濃いシーズンだったし(吉川)和多留さんを始め、チーム一丸となって戦えたことが大きかった。運もあったし、シーズンの流れがボクにあったと思う。

 

JSBレース1   JSB第1レーススタート
   
JSBレース1   伊藤真一がスタートからレースをリード
   
JSBレース1  

レース中盤、#21中須賀克行が3位までポジションをあげてきた。

     
JSBレース1  

結局第1レースは伊藤が独走で優勝。

     
JSBレース1   優勝:伊藤真一(中)、2位:秋吉耕佑(左)、3位:中須賀克行
この結果、中須賀克行は合計139ポイントとなり、第2レースで12位以上であればチャンピオンが決まることになった。
     
JSBレース2   第2レースは、スタートから#64秋吉耕佑と#39酒井大作が1・2体制を築く。
     
JSBレース2   3番手の伊藤真一が酒井大作をかわして、トップの秋吉耕佑を追う。しかし、その後…。
     
JSBレース2   中須賀克行は5番手を走行していたが、コースオフで順位を落とした。
     
JSBレース2   第2レースを制したのは、酒井大作。2位には柳川明、3位に大崎誠之となった。
     
JSBレース2   シリーズチャンピオン・文部科学大臣杯は中須賀克行が獲得。
     
Photo:H.Wakita/Y.Harada(c)
 
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