ツインリンクもてぎで初めてとなる2&4レースは、4輪の最高峰フォーミュラ・ニッポンと全日本F3、全日本ロードレース選手権は、昨年、誕生したばかりの全日本J-GP2クラスの競演となった。J-GP2クラスは、7月上旬に行われた第3戦以来、2戦連続でツインリンクもてぎ開催となる。7月のレースでは、中上貴晶がポールtoフィニッシュを決め圧勝。2位に関口太郎、3位に小山知良が入り、世界で活躍した経験を持つ3人が表彰台を占める結果となった。
世界へ戻ることを目標にしている19歳の中上は、昨年のMoto2クラスのタイム、1分53秒台をターゲットにしている。中上のマシンは、市販Honda CBR600RRをベースにしているが、昨年、チームの先輩である小西良輝が造り上げてきたマシン。レーサーのようなハンドリングを実現し、高い次元で仕上がっている。今回のレースウイークに入っても、金曜日にいきなり1分54秒435をマークし、非公式ながらコースレコードを更新すると"1分53秒台が見えてきた"と語っていた。この時点で、2番手の山口辰也に1秒730も引き離しており、今回も第3戦に続き、ワンサイドレースになることが予想された。
土曜日の公式予選は、お昼の一番暑い時間帯に50分間のセッション1本で行われた。この日より走り始めたフォーミュラ・ニッポンのタイヤのラバー(タイヤカス)の影響が心配されたが、それよりも前日より20度も上がった路面温度に各ライダーは、悩まされることになる。
この厳しいコンディションの下、中上は、違うコンパウンドのフロントタイヤを試すが、これがいい方向にいかず、元に戻して最後のアタックで1分54秒717をマーク。自身の持つコースレコードを更新するが、目標の53秒台は遠かった。「悔しいですね。チームもボク自身もタイムを出すつもりでしたから、決勝で何とか53秒台に入れたいですね」と中上。とは言っても、2番手の関口太郎を0秒499引き離しており、今回も中上が逃げる可能性は高いと言えるだろう。3番手に"リンク周りのパーツを変えてマシンのセットもよくなってきている"と言う稲垣誠と続いた。
前回3位となった"コヤマックス"こと小山知良は、今回はマシントラブルに悩まされている。その中でも、予選では4番手につける走りを披露。「決勝には、いい状態で臨めそうなので楽しみです。また表彰台に上がれるように全力でいきます」とコヤマックス。
佐藤周が5番手、中本郡が6番手と、それぞれ健闘し、ST600クラスをリードしている山口辰也は路面温度の上昇に悩まされ7番手に沈んだ。テスト中に転倒し、左小指の付け根を骨折してしまった野左根航汰は、痛みをこらえながらも10番手につけた。
決勝は、中上が逃げ、それを関口、稲垣、小山が、どこまで追えるかによって、レース展開が決まってくるはず。今のところ中上の2連勝の可能性は高いと言えるだろう。。 |