文部科学大臣杯 2011年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦 第43回MFJグランプリ SUPERBIKE RACE in SUZUKA 主催:鈴鹿サーキット(5.821Km) 予選レポート DATE:2010-10-29
今年も全クラスのタイトル決定が持ち越されて迎えた最終戦MFJグランプリ。ひとあし早く土曜日に決勝レースが行われたGP-MONOクラスは、激戦の末、長島哲太が初の栄冠を獲得した。日曜日は、ST600から始まり、J-GP3、J-GP2、そして最高峰クラスのJSB1000と4人の全日本王者が誕生する。 JSB1000クラスは、ディフェンディングチャンピオンの秋吉耕佑が開幕4連勝を飾るなど、安定した走りでポイントをリード。暫定ランク2番手の高橋巧に19ポイント差をつけV2に王手をかけている。公式予選では、Q1でトップタイムをマークし、Race1のポールポジションを獲得。Q3では、2番手に終わるものの、その差は僅かなものだった。「Q3では、ハード目のタイヤを履いたら、うまくタイムを出せなかった」とは言うものの2分6秒台に入れるところは、さすが韋駄天。V2に向けて視界良好というところだ。 その秋吉に打ち勝ち、トップでチェッカーフラッグを受けたいのが加賀山就臣。Q3では、秋吉を抑えRace2のポールポジションを獲得するのは、さすが。世界で活躍してきた実力を見せつけた。「マシンは、いい感じに仕上がってきているし、今回は勝ちたいね。今シーズンは、自分のチームを立ち上げて参戦しましたが、終盤戦は、参戦を取りやめようかと思ったほど厳しい状態でした。それが多くの方のご協力のおかげで、最終戦まで来られました。だからこそ、今回は勝ちたいですね」と気合いの入る加賀山。 秋吉と加賀山の速さが際立っており、この二人が主導権を握るのは間違いない。これについていけそうなのが、高橋巧だ。高橋は、金曜日は、タイムが出ていなかったが、土曜日に前戦で調子がよかった状態にしたところ、速さを取り戻した。「タイトルのことは"全然"と言っていいほど考えていませんね。初日は、鈴鹿2&4の状態からスタートしたのですが、そのセットが、今回のウイークには全く合っておらず、タイムが出なかったのは、焦りました。調子のよかった前戦の土曜日の状態にしてもらったら、やっといいフィーリングが戻って来ました。決勝では、秋吉さん、加賀山さんに離されないようにしたいですね」と高橋。2レースとも秋吉に食らいつき前でゴールしたいだろう。秋吉との間に他のライダーが入れば、逆転タイトルの可能性は十分ある。 前戦で2年振りに優勝を飾った中須賀克行も、しっかりタイムを出し、Race1で3番手グリッド、Race2で4番手グリッドからスタートする。「秋吉さんと加賀山さんは速すぎるので、難しいレースになると思います。スタートで前には出ず、後ろについていってタイヤマネジメントをうまくしていきたいと思っています」と中須賀。先週は、MotoGPにケガをしたホルヘ・ロレンソの代役として初参戦。マシンの乗り換えにも、少し苦労しているようだが、走る度に調子を上げてきている。秋吉と加賀山のペースにもよるが、何とかついていき、最後に勝負を仕掛けていきたいところだ。 カワサキのエース、柳川明は、今回のレースウイークで初めて鈴鹿をニューZX-10Rにブリヂストンタイヤの組み合わせで走っている。他のライダーは、鈴鹿2&4、鈴鹿8耐なども走っているが、シーズン途中からタイヤを替えた柳川にとっては、全くデータのないところからのスタートとなっている。「セッション毎に、マシンはよくなっているけれど、絶対的に時間が足りない。もう1秒タイムを上げないと前のグループには入れないからね。もう一つ、やりたいことがあるので、決勝朝のウォームアップ走行で試して、それでよくなればトップ争いに加われるかもしれないね」と柳川。 その後方には、出口修、そして8耐以来の鈴鹿、スタンダードスイングアーム仕様のZX-10Rを駆る芹沢太麻樹、鈴鹿レーシングの徳留和樹、ドゥカティ使いの須貝義行、スズキの雄、今野由寛と続いている。 2レース制で争われるJSB1000クラス。昨年は、Race1で中須賀が転倒を喫してV3を逃している。秋吉と加賀山が速さを見せているが、この2人のペースによって、レース展開が見えてくるはず。果たしてどんな結末が待っているのだろうか!? 歴史に新たな1ページが刻まれる瞬間は、間もなくやってくる。