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R2-1 第3戦
筑波スーパーバイクレース

筑波サーキット(茨城県)

2000.05.12(金)-14(日)


■開催日/予選:5月13日(土)、決勝:5月14日(日) ■天候/予選:雨ときどき曇り、決勝:曇り■開催場所/筑波サーキット(2.070km)■入場者数/決勝:10,492人

全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦
決勝公式レポート

3人のウイナーは全員全日本初優勝

ゴールデンウイークの翌週、R2-1全日本選手権ロードレース第3戦が、東京から最も近い筑波サーキットで開催。予選日は、雨が昼前に一時あがり、再び午後から降り始めるという不安定な天候。決勝日は、前夜大雨が降ったものの、朝からコースはドライというコンディションの中で開催された。スーパーバイクは、2週間前にSUGOで開催されたスーパーバイク世界選手権で、2レースとも優勝した井筒仁康(カワサキ)がポールポジションからスタートし全日本初優勝。またGP250では、2回の多重転倒のためにレースは2回中断し、2ヒートの合計タイムで関口太郎(ヤマハ)が初優勝。GP125は17歳のルーキー、小山知良(ヤマハ)がデビュー3戦目にして初優勝を飾った。3クラスとも、全日本での初優勝となった。



予選レポート


■スーパーバイク
 1回目の予選前から雨が上がり予選がスタート。スーパーバイク世界選手権SUGO大会では、ワイルドカード参戦した井筒仁康(カワサキ)が2レースとも優勝。自身も国際クラスに昇格して初めての優勝だった。その井筒が好調さを筑波まで持続させて、ハーフウエットの路面からほぼドライになった午前中のセッション後半でタイムを出し、ポールポジションを獲得した。井筒のタイム、57秒150は、昨年からワールドスーパーバイクにフル参戦している芳賀紀行(ヤマハ)が97年にマークしたコースレコード57秒156を、1000分の6秒更新したもの。予選2番手は、MINEで優勝した玉田誠(ホンダ)、3番手に筑波サーキット出身のスーパーバイクルーキー、山口辰也(ホンダ)がつけた。予選2回目は路面がウエットとなり、どのライダーもタイムを更新することができなかった。



■GP250
 2組に分かれて行なわれた予選の1回目、A組の走行時間には前夜からの雨が止んだが、路面はウエットのまま。そんな状況の中で、ベテランの宮崎敦(ヤマハ)がクラストップのタイムをマーク、A組のトップに立った。2番手には関口太郎(ヤマハ)。しかし、B組がスタートする頃には路面が乾き始め、各車とも徐々にタイムを詰めていった。前戦MINEでポールポジションを獲得した大崎誠之(ヤマハ)が、2番手以降にコンマ5秒も差をつけトップタイムを出し前戦に続きポールポジションを獲得。続いて前戦で3位に入った亀谷長純(ヤマハ)、同じく2位に入賞した畠山康昌(TSR)が3番手につけた。予選2回目は再び雨が降り始め、全員1回目のタイムを更新できなかった。路面状況不均衡のため、B組の大崎がポールポジション、以下 A組、B組の順でグリッドが決まった。



■GP125
 スーパーバイク、GP250の両クラスは1回目のタイムで決勝グリッドが決まったが、このクラスは朝の予選1回目では完全なウエット路面だったため、午後の予選2回目で全車がタイムを更新した。さらにB組の2回目からは再び雨がコースを濡らし始め、A組、B組の路面状況が不均衡となったため、GP250同様、各組の上位16台が決勝進出。ポールポジションはA組一番手の柚木伸介(ホンダ)が初めてのポールポジションを獲得。2番手にはB組で雨が降り出す直前にただ一人1分1秒を切った上江洲克次(ヤマハ)が入った。ベテラン菊地寛幸(ホンダ)は手堅く3番グリッドを得たが、ディフェンディングチャンピオンの仲城英幸(ホンダ)は29番手、前戦で優勝した藤岡祐三(NER)は雨が降り出す前にタイムを出すことができずに予選落ちを喫っするという番狂わせとなった。



決勝レポート


■スーパーバイク
絶好調の井筒仁康(カワサキ)が全日本初優勝
前戦優勝の玉田誠(ホンダ)が2位に

 昨年のチャンピオン、予選5番手の吉川和多留(ヤマハ)が好スタート。初戦で優勝した予選6番手の梁 明(スズキ)もうまいスタートで吉川に続き、ポールポジションの井筒仁康(カワサキ)がこの二人に追従する。前戦で優勝した玉田誠(ホンダ)、芹沢太麻樹(カワサキ)、伊藤真一(ホンダ)までの6台がトップグループを形成する。ここで、伊藤にフライングの裁定が下り、ピットストップのペナルティーを受けた。6周目、吉川、井筒、梁の三人が、玉田、芹沢を引き離した。この順位に変動があったのが14周目。1コーナーの進入で2位の井筒が吉川をパス、17周目には同じ1コーナーで梁が吉川をかわし2位に上がった。翌々周には玉田も吉川を抜き3位に、吉川は4位に落ちた。この勢いで玉田は前を行く二人を追い始めた。ピットストップを強いられた伊藤は18周目には9位まで追い上げ、さらに前を行く加賀山就臣(スズキ)に迫った。そして25周目、ついに梁が1コーナーで井筒を捕らえた。ところがその直後、梁は突然スローダウン、順位を大幅に落とし、26周でリタイアした。これで2位に上がった玉田が井筒を追うが及ばず、井筒が全日本初優勝を果たした。中盤に遅れた吉川が3位に、激しく追い上げた伊藤は7位でチェッカーを受けた。


ライダーコメント

  • 優勝 井筒仁康:
    タイヤのタレが厳しくて(玉田との争いは)最後はどうなるか分からなかった。梁さんとのバトルはぎりぎりのところで向こうも仕掛けてきたので、当たってもしようがないと思っていた。取り合えず先に行かせて様子を見ようとしたが、トラブルだったようだ。自分もマシンも調子がいいので、次も勝ちに行きたい。
  • 2位 玉田 誠:
    特に第2ヘアピンのフロントの切れ込みが激しく、思いっきり行けなかった。フロント回りに問題があったようだ。そのため、冷静に抑えて走っていたが、2位に入れてよかった。自分もマシンも調子がいいので、次の鈴鹿はもちろん、全戦勝ちにいくつもりだ
  • 3位 吉川和多留:
    中盤までタイヤが心配だったが、やはり途中でタレてしまった。レースの途中で雨が降って来ればと願っていたが、だめだった。今日のレースは何としても勝ちたかったが、しょうがない。次の鈴鹿は、去年と同じように、万全の体制で勝ちにいきたい。


■GP250
2回の赤旗中断で大混乱
2ヒート制となったレースを関口太郎(ヤマハ)が初優勝

 予選4番手の関口太郎(ヤマハ)が好スタート、レースをリードする。ところが1周目、第2ヘアピンで多重転倒があり、赤旗中断。二度目のスタートでは予選2列目、7番手の酒井大作(NER)が飛び出し、亀谷長純(ヤマハ)が続いた。ポールポジションの大崎誠之(ヤマハ)は3位で1周目を通過するが、2周目のシルコリンコーナー立ち上がりで転倒、リタイアした。5周目に亀谷がトップにあがりレースをリードするが7周目、左高速コーナーで多重転倒があり、再び赤旗中断。レースは6周目終了時点で第1ヒートとし、24周の第2ヒートを行ない、両レースの合算タイムが正式結果になることが決まった。第2ヒートのスターティンググリッドは、第1ヒート終了時点の順位となり、ポールポジションは亀谷、以下酒井、関口、宮崎敦(ヤマハ)と続き、予選25番手からスタートした中冨伸一(ホンダ)は7番手スタートとなった。第2ヒートは酒井が好スタート、これに第1ヒートで6位だった高橋英・・・倫(ヤマハ)、亀谷、中冨と続く。中冨は3周目に3位、4周目に2位、そして5周目にトップに立った。中冨、関口、酒井、宮崎の4台がトップグループを形成、亀谷、畠山泰昌(TSR)、高橋が第2グループを作る。13周目、2位にあがった宮崎が1コーナーで転倒、15周目、やはり2位にあがった亀谷が転倒、二人とも再スタートするが大きく順位を落としてしまう。畠山が18周目に酒井を抜いて3位に上がり、中冨、関口を追う。このままの順位でチェッカーとなり、総合結果で関口が全日本初優勝を得た。


ライダーコメント

  • 優勝 関口太郎:
    第1ヒートのスタートはまぐれだった。そのまま離すつもりだったが、赤旗で残念。2ヒート目は、合計タイムでトップだったので集中を切らさないように走り続けた。意外に早く初優勝できてうれしい。
  • 2位 中冨伸一:
    グリッドが後ろだったので、追い上げることだけを考えて走っていた。1ヒート目が7位で、優勝は難しかったので、2ヒート目だけでも勝とうと思ってがんばった。
  • 3位 畠山泰昌:
    マシンは問題ないのだが、自分自身の調子が今一つで、悔しい結果となってしまった。レース前は優勝をねらっていたが、今回も勝てなかった。次回も勝つことだけを考えて走るつもり。


■GP125
17歳のルーキー 小山知良(ヤマハ)が全日本デビュー2戦目で初優勝

 ポールポジションからスタートした柚木伸介(ホンダ)が1コーナーにトップで飛び込み、それにの菊池寛幸(ホンダ)が続く。序盤はこの二人に予選2番手の上江洲克次(ヤマハ)が加わり先頭集団を形成。第2グループは、小野真央(ホンダ)、予選7番手の加藤直樹(ホンダ)、3列目、ワイルドカード出場の高橋泰明(ホンダ)ら数台の集団となっている。5周目に菊池が先頭に立ち、8周目には加藤2番手に、10周目には高橋が3番手にポジションを上げる。そして、13周目に高橋がトップに立つなど、順位が目まぐるしく変わる。この集団に、後方から今年17歳になったばかりのルーキー、小山知良(ヤマハ)が激しく追い上げてきた。16番手スタートの小山は、14周目に4位、そして15周目にトップに立つとそのまま全日本初優勝。2位は菊池と高橋が順位を入れ替えながら競り合うが、わずかな差で菊池が抑え、2戦連続の表彰台に立った。


ライダーコメント

  • 優勝 小山知良: 
  • 1戦目に折った鎖骨がまだ痛く、表彰台でトロフィーを持つのが辛かった。こんなに早く優勝できるとは思っていなかった。レース展開は何も考えず、力一杯走った。
  • 2位 菊池寛幸:
    いつもと違うメンバーでのトップ争いだったので、展開を読むのが難しかった。集団になっていれば(小山に)追いつけたかもしれないが、彼には勢いがあった。焦らずポイントを稼ぎたい。
  • 3位 高橋泰明:
    94年に代役でGPに参戦し、95年一杯で引退した。去年、全日本のワイルドカードを得たので今回出場できた。次のレースに出るためにポイントを取れればいいと思っていたが、3位に入賞できてよかった。

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