注目されたのが、事前テストで57秒7というラップタイムをマークした小山知良だった。しかし金曜日の合同テストはあいにくの雨になってしまい、土曜日の予選は朝から曇りながらドライになったため、予選1回目は、ウエットからドライセッティングに変更しなければならない。このセッティング変更に小山は手間取り、1回目は58秒356と、テストには及ばないタイム。しかしそれでもトップタイムだった。
さらに気温が上がった2回目は、小山が57秒台にタイムを入れると、嘉陽哲久、大崎誠之らも57秒台に入れてきた。結局、トップタイムは嘉陽のマークした57秒679。98年に中野真矢のマークした57秒430というコースレコードにはまだ及ばないものの、ファクトリーマシンではなく、市販レーサーでのタイムであることを考えると、非常にレベルの高いタイムと言える。嘉陽は1週間前のテストで転倒。そのイメージをまだ完全に払拭できていないといいながらも、見事ポールポジションを獲得した。3番手の大崎は、ほぼ1年ぶりの筑波の走行で、セッティングを詰めながらの予選となっていた。「まだ気になる部分がある」と言いながら仕上がりは良いようだ。
注目したいのはフロントロー4番手に付けた青山博一。昨年、オールニューとなったRSはそれ以降、TZ勢に押され気味となっていた。そんな状況の中、RSライダーの青山は「まだ完全ではないが、車体のセットアップ、そして走り方をどうすればいいかが分かってきた気がする」と言うのだ。安定して57秒台でラップして見せた小山を中心に、レースは展開するだろう。誰が小山に付いていくかがポイントとなりそうだ。
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