3番手グリッドから好スタートを見せた井筒仁康がホールショットを奪い、柳川明、山口辰也、北川圭一、森脇尚護の順で1コーナーをクリア。井筒を先頭に、ホームストレートに戻ってくるが、3周目の1コーナーでは、ストレートで抜群の伸びを見せる柳川が井筒をかわしてトップに浮上。ポールポジションからスタートした山口も井筒を第2ヘアピンでかわし、2位に上がると、続く3周目の第2ヘアピンで柳川のインを刺しトップに立つ。
トップグループは山口を先頭に、柳川、井筒、森脇、北川の5台が形成。金曜日の走行から全セッションでトップタイムをマークしていた山口がトップに立ったことで、このまま独走体制に入るかと思われた。しかし、この日、レースを盛り上げたのは九州出身の柳川だった。柳川はカワサキのマシンテストなどでオートポリスは走り慣れたコース。どこをどう走ればタイムが縮まることも把握している。地元の応援を背に、7周目の1コーナーでやや強引に山口のインに入り込みトップを奪う。一方、同じく九州出身でセカンドグリッドからスタートした徳留和樹はトップグループに迫る走りを見せていたが、7周目に6位を走行中に転倒リタイアに終わっている。
徐々にポジションを上げてきた北川も7周目の1コーナーで井筒をかわして3位に上がると、第2ヘアピンで山口をかわして2位に、さらに9周目の第2ヘアピンで柳川をパスして、この日、初めてトップに立つ。しかし、レースの主導権を握っていたのは山口だった。山口は9周目に柳川をかわして2位に上がると、11周目のファイナルコーナースタンド前で北川のインにマシンをすべり込ませ再びトップに立つ。ここは昨年も山口が得意としているコーナーであり、パッシングポイントにしていた。そしてレース終盤になると、トップグループからは森脇が脱落。山口、柳川、北川の三つ巴の戦いとなり最終ラップを迎える。
ディフェンディングチャンピオンの意地を見せたい北川は、第2ヘアピンで柳川のインを刺すが、痛恨の転倒。そのままリタイアとなってしまう。柳川はニューマシンを2位に導き、北川の転倒で3位に入った森脇がJSB1000で初めて表彰台に上がる結果となった。4位には最終ラップに渡辺篤をかわした伊藤真一が入賞。渡辺はマシンセッティングが決まらず厳しいレースとなったが6位。以下、中冨伸一、井筒、浜口俊之、辻村猛、江口馨の順でチェッカーを受けている。
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