金曜日のA.R.T.合同走行がウェットコンディションだっただけに、ドライとなった土曜日の公式予選からのセットアップがカギとなった今回のレース。いかに短期間でマシンをまとめるかが、リザルトを左右する重要なファクターとなった。
好スタートを見せたのは4番手グリッドからスタートした渡辺篤。SUGOラウンドに引き続きホールショットを奪っていく。以下、小西良輝、井筒仁康、伊藤真一、森脇尚護、徳留和樹と続いていく。小西はオープニングラップから積極的は走りを見せ、渡辺をかわしてトップに立つと、そのままペースを上げ2位以下を引き離しにかかる。2周目のヘアピンでは井筒が渡辺をかわして2位に浮上するが、シケインの立ち上がりでスライド。これで後続が詰まってしまい立ち上がりで順位が入れかわる。ここでポジションを上げたのが中冨伸一だった。混戦の後続を尻目に小西は2周終了時点で、2位に1秒676もの差を付けて独走体制を築くかと思われた。しかし、それはこの日のレースでは許されなかった。3周目のデグナーカーブの進入で井筒をかわした伊藤は、このレースのファステストラップをたたき出すと、小西のテールに見る見るうちに迫っていく。そして4周目の130Rからシケインのブレーキングで伊藤がトップに立つ。これを見た井筒も5周目の1コーナーで小西をかわして2位に浮上する。伊藤と井筒のペースに小西がやや遅れをとると、2位と3位の間隔がやや開く。その小西をかわして3位に上がった中冨がトップグループに加わると、その勢いのまま7周目のシケインで井筒をパスして2位に浮上する。
トップを走る伊藤はコンスタントに2分10秒台のハイペースでラップを刻む。「このペースで走れれば、後続を引き離せると思っていた」とレース後に語っていたが、中冨も必死についていく。伊藤と中冨の一騎打ちとなったトップ争いだったが、伊藤は、その後もペースを落とさない。レース終盤になると周回遅れも多くなり、ジリジリと中冨が遅れていく。伊藤は最後までハイペースで走りきりトップでチェッカー。前戦SUGOラウンドに引き続き、ポール
to フィニッシュで2連勝を飾った。2位に大健闘の中冨が入賞。3位には終盤に追い上げ井筒をかわした小西が入っている。タイトルを争う井筒は4位、山口はスタートで大きく出遅れるものの、6位でフィニッシュ。その差は7ポイントと開き、次回、最終戦で決着を迎える。
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