フロントロウ真ん中のセカンドグリッドからスタートした柳川明がロケットダッシュを見せホールショットを奪い、ポールポジションの秋吉耕佑、3番手グリッドの酒井大作、中須賀克行、ノリック、大崎誠之、安田毅史、渡辺篤と続いていく。オープニングラップから柳川は、ハイペースで飛ばし、レースをリード。このペースに6番手以下はついていけず、上位5台がトップグループを形成する。2周目に入るホームストレートでは、酒井が秋吉をかわし、2番手に浮上。秋吉が3番手に下がり、中須賀、ノリックと続く。後方では、渡辺がペースを上げ、大崎と安田をかわして6番手に上がりトップグループを追う。さらに後方では、徳留和樹がファステストラップをたたき出しながら、激しい追い上げを見せる。
4周目の1コーナーでは、酒井が柳川をかわしトップに浮上するが、柳川が第2ヘアピンで抜き返す。その後も、7周目に酒井が、8周目に柳川が、9周目に酒井が前と、目まぐるしく順位を入れかえる。トップ2がバトルをしているうちに、後方から徳留と渡辺が接近、トップグループは5台から7台にふくれ上がるかと思われた。そして迎えた10周目の1コーナー、酒井のスリップストリームを使い柳川がインに入り前に出ると、3番手の秋吉も2台のスリップストリームを使い、酒井をかわそうとするが、ラインが交錯し、接触。秋吉が酒井の右後方に接触し転倒。酒井のマシンは、エキゾーストマフラーが曲がり、サスペンションにあたってしまっていたが、そのダメージをカバーしながらレースを続行する。このアクシデントで中須賀が2番手に上がり、酒井、ノリック、徳留、渡辺という6台のトップ争いとなる。
12周目の第2ヘアピンで中須賀が柳川をかわして、この日、初めてトップに立つと、そのままペースを上げる。これを見た酒井も13周目の1コーナーで柳川をかわして2番手に上がり、中須賀を追う。中須賀のペースについていけたのは、酒井と柳川のみ。4番手以上は、ジリジリと離されていく。オートポリスでは、2004年から3年連続で2位に甘んじていた柳川は、初優勝すべく16周目の第2ヘアピンで酒井をかわして中須賀を追う。トップ争いは、必死に逃げる中須賀と意地を見せたい柳川の戦いとなった。中須賀は、柳川の追撃を最後まで抑え、トップでチェッカーフラッグを受け、念願のJSB1000初優勝を飾った。柳川は、悔しい4年連続2位となったが、ポイントランキングでは暫定トップに躍り出た。3位に酒井が入り、JSB1000初表彰台を獲得。以下、ノリック、徳留、渡辺の順でゴールした。 |