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SUPERBIKE RACE in SUZUKA


JSB1000

文部科学大臣杯 2009年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ最終戦 第41回MFJグランプリ SUPERBIKE RACE in SUZUKA
主催:鈴鹿サーキット(5.821Km)
決勝レポート
DATE:2009-11/1
■開催日/予選:10月31日(土)、決勝:11月1日(日)  ■天候/予選:晴・ドライ 決勝:曇・ドライ
■開催場所/三重県・鈴鹿サーキット東コース 2.243Km ■観客数/予選:10,000人・決勝:13,000人

中須賀克行が大逆転で2年連続チャンピオンを獲得!
2009年の文部科学大臣杯も中須賀の手に。

レース2は秋吉耕佑が制す!!

 2レース制、ボーナスポイントが3ポイントつく最終戦MFJグランプリは、全日本ロードレース史上初の鈴鹿東コースが舞台となった。レースウイークに入り絶好調だったのがディフェンディングチャンピオンの中須賀克行だった。9ポイントのビハインドで酒井大作を追う中須賀はレース1からアグレッシブな走りでレースをリードする。
 ドライコンディションで行われたレース1。ホールショットを奪ったのはセカンドグリッドからスタートした秋吉耕佑だったが、これに続いた中須賀が、S字コーナーで早くもしかけ、オープニングラップをトップで戻ってくる。中須賀がリードを広げていくかと思われたが、2周目に秋吉をかわして2番手に上がった伊藤が、3周目にコースレコードを塗り替える50秒054をマークして中須賀の背後に迫ると、4周目の1コーナーでトップに浮上する。3番手の秋吉のペースが上がらず、トップ2台が抜け出し、伊藤と中須賀の一騎打ちとなっていく。6周目に秋吉をやっとかわした酒井大作だったが、トップグループからは、すでに引き離れてしまい単独走行となる。秋吉はマシンのセットアップが決まっておらず、その後も順位を下げていく。
 トップ争いに動きがあったのは15周目だった。ホームストレートでシフトミスをした伊藤のスキを突き、中須賀が前に出ていくが、17周目の1コーナーで再び伊藤がトップに立つと、そのままファイナルラップを迎える。1コーナーを伊藤が抑えると、勝負あったかと思われたが、逆バンクでコーナリングスピードを上げた中須賀が、伊藤のインを突きトップに浮上。そのままチェッカーフラッグを受け、今シーズン2勝目を挙げた。酒井が3位に入り、酒井と中須賀の差は4ポイントと縮まった。
 4位争いは山口辰也が制し、柳川、亀谷長純、高橋巧と続き、秋吉は8番手まで順位を下げてゴールした。

 午後から鈴鹿サーキットは雨が降り出し、ウエットレースとなる。ウォームアップでオイルを出したマシンがあり、その処理のためにスタートが遅れるアクシデントがあったが、清掃作業の後、無事にスタート。
 ホールショットを奪ったのはポールポジションからスタートした中須賀。酒井、伊藤、山口、秋吉、大崎誠之、高橋と続いていくが、3コーナーへの進入で驚異的なスピードを見せた秋吉が、伊藤と山口を一気にパスし3番手に浮上。その後も秋吉の勢いは止まらず、5周目の1コーナーで中須賀と酒井を、こちらも一気にパスしトップに浮上すると2番手以下を引き離していく。後方では、6周目の1コーナーで伊藤が酒井をかわして3番手に浮上する。2番手集団は、中須賀、伊藤、酒井、山口、大崎の5台が形成していたが、レース中盤に中須賀がペースアップ。これに呼応するように伊藤、そして酒井もペースを上げ、12周目には秋吉に追いつきトップグループが4台となる。このままの順位ではチャンピオンになれない酒井は、レース序盤はタイヤのグリップを確認、伊藤をかわせばチャンピオンになれることも計算していた。13周目にはファステストラップをマークし、伊藤の背後に迫っていく。しかし、16周目の3コーナーの進入で伊藤に接触し転倒。伊藤はコースアウトし、順位を下げてしまう。このアクシデントでトップ争いは秋吉と中須賀の一騎打ちとなる。中須賀は最終ラップの1コーナーで秋吉のインを突き、トップに立つが、3コーナーの進入でバックマーカーに引っかかってしまい、そのスキを見逃さなかった秋吉が前に出ると、そのままゴール。秋吉が今シーズン2勝目を挙げた。中須賀は2位でゴールし、大逆転で2年連続チャンピオンに輝いた。酒井は規定周回数15周をクリアしており、6ポイントを獲得、ランキングは2位で踏みとどまった。3位には山口が入り、ランキングも3位となった。4位大崎、5位柳川と続き、コースアウトした伊藤は6位でチェッカーフラッグを受けている。以下、亀谷、高橋、井筒仁康、浜口俊之と続いた。

 

●ライダーのコメント(Race1)
優勝/#1 中須賀 克行 YSP Racing Team

『ペースも速かったし、まさかそんなに早く抜かれるとは思っていなかった。伊藤選手に前に出られたときは、スリップストリームもあまり効かず、S字コーナーでも速い所と遅い所があって、なかなか、いいリズムが取れなくて大変でした。後ろにつかせてもらい走りながら、段々とリズムが取れてきた感じです。セッティングがよくなかったので、最終コーナーでの加速が伸びなかった。逆バンクからダンロップコーナーの区間をパッシングポイントと考えていた。最終ラップの逆バンクで伊藤選手がインを抑え気味だったので、インに入ることができました。本当に勝ててホッとしています』

2位/#33 伊藤 真一 KeihinKoharaR.T.
『東コースはどちらかと言うと得意な方ですし、事前テストから中須賀選手や酒井選手たちも速いことを知っていた。久々にいいレースが出来たと思う。レースは思っていたより全体的にペースが速かった。最終コーナーから第1コーナーまでは僕の方が速かったので、そこで何とか抜こうという思いでいました。第2レースは頭を使ってレースをします』

3位/#39 酒井 大作 ヨシムラスズキwithJOMO
『事前テストでケガをしたこともあって、あまり走れていない状態でした。金曜日から色々とカリキュラムを消化している中、また転倒してしまいチームに迷惑をかけてしまった。短い時間の中で、チームスタッフもここまでいい感じに仕上げてもらったマシンなので、レース1では確実に表彰台を目指して走ろうと思っていました。第2レースはしっかり勝負できるように頑張ります』

 

●ライダーのコメント(Race2)
優勝/#5 秋吉 耕佑 F.C.C.TSR Honda

『第1レースでは状態を見ながら走っていて“もしこれが当たればもっと速いかな”と思っていたけれど、それが逆にどんどん後退していってしまった。その問題があった部分を見直して生かせられたのが第2レースですね。苦しいレース展開だったけれど、中須賀選手とおもしろいバトルができて、うれしかった。マシンもある程度安定していたので、グリップを残しながら走っていた感じです。勝つことができてよかったですね』

2位・シリーズチャンピオン/#1 中須賀 克行 YSP Racing Team
『第1レースで勝てた事はすごく自信につながって、自分自身でも調子がいい事を確認できた。雨が降り始めた時はかなりテンションが下がりましたね。でも、下がった割には普段と違って気持ち的に緊張もせず落ち着いていて、早くレースが始まらないかと思っていました。いいモチベーションで今回は勝つ事しか考えていなかったし、昨年と比べても全然緊張していなかった。まだ2年連続チャンピオンの実感は湧かないですが、そう簡単に連続でタイトルを獲れないと思います。チーム関係者を始め、ファンの皆さんに感謝しています』

3位/#634 山口 辰也 MuSASHi RTハルクプロ
『身体のコンディションは最悪でした。足も踏ん張れないし、あまり感覚がない状態でしたから。事前テストで、なぜ何度も転倒してしまったのか全く分からなくて、ただ自分が信じられない状況でした。事前テストで1日見学させてもらったのですが、みんなが速いペースで走っているところを見ていて、これはテストなしでは厳しいなと思っていた。それでもチームが何とか、よく乗れるようにバイクを仕上げてくれたので公式練習から徐々にレベルを上げていけていたけれど、トップを争うところまでいけなかったのは悔しいですね』

 

JSBレース   レース1決勝スタート。
   
JSBレース   中須賀克行 v.s.伊藤真一でレースをリードしていく。#5秋吉耕佑は序盤こそトップ集団にいたが、その後ペースが上がらず順位を落としていった。
   
JSBレース  

終盤は中須賀克行と伊藤真一のマッチレース

     
JSBレース  

レース1優勝/中須賀克行(中)、2位/伊藤真一(左)、3位/酒井大作

     
JSBレース  

レース2スタート直前、ウォームアップラップでオイルが漏れため、スタートディレイド。オフィシャルにより必死の清掃作業が行われた。

     
JSBレース  

秋吉耕佑は5周目、3番手から酒井大作、中須賀克行と一気に2台をかわしてトップに立つ。JSB第2レース、序盤のハイライトシーン。

     
JSBレース  

酒井大作は自力タイトル獲得に向けてトップ集団に迫っていたが、伊藤真一に接触し無念の転倒リタイア。

     
JSBレース  

キレた走りの秋吉耕佑と中須賀克行がレインコンディションの中激しくバトル。

     
JSBレース   レース2優勝/秋吉耕佑(中)と藤井正和TSR総監督、2位/中須賀克行(左)、3位/山口辰也
中須賀克行が逆転でチャンピオンを決めて、2連覇を達成した。
     
JSBレース   中須賀克行が2連覇と同時に、文部科学大臣杯を手中にした。
   
Photo:H.Wakita/Y.Harada(c)
 
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